ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
多成分系から相乗作用に関与する化合物を探し出す
植草 義徳
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 54 巻 10 号 p. 982

詳細
抄録

植物の抽出エキスから生物活性を有する化合物を見つけ出す際,生物活性試験の結果を確認しながら分画を進めていく,いわゆるbioassay-guided fractionationが常套手段の1つとなっている.着目している生物活性が単一の化合物のみで説明できる場合,この戦略は非常に効率的であるが,化合物が多く混在している多成分系においては,複数の化合物が相加的・相乗的に作用することで高い活性を示す場合もあるため,関与している化合物を明らかにすることは容易ではない.相乗作用に関与する化合物の探索法として,synergy-directed fractionationが挙げられるが,最近この手法にトッピングを加えることで,より効率的に相乗作用に関与する化合物を探し出す新たな方法が発表されたので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Britton E. R. et al., J. Nat. Prod., 81, 484-493(2018).
2) Junio H. A. et al., J. Nat. Prod., 74, 1621-1629(2011).

著者関連情報
© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top