ファルマシア
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鉄触媒を用いたアリル位およびベンジル位選択的C-H挿入反応
森田 昌樹
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2018 年 54 巻 6 号 p. 573

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抄録

金属カルベノイド種を用いるC-H挿入反応は,C(sp3)-H結合をC-C結合に変換できる有用な反応である.金属カルベノイド種は,ジアゾ化合物とロジウム(II)触媒との反応により容易に生じるが,ロジウムは高価かつ希少という問題がある.一方,地球上に豊富に存在する鉄を用いた触媒的C-H挿入反応は,鉄カルベノイド種の反応性が低いことから,これまで実現が困難であった.また,通常カルベノイド種は不飽和結合と反応してシクロプロパンを形成するため,アリル位でのC-H挿入反応も難しいことが知られている.最近Whiteらは,鉄触媒を利用するアリル位およびベンジル位選択的C-H挿入反応を報告したので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Wolckenhauer S. A. et al., Org. Lett., 9, 4363-4366(2007).
2) Griffin J. R. et al., J. Am. Chem. Soc., 139, 13624-13627(2017).

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© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
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