ファルマシア
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54 巻, 6 号
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目次/ミニ特集にあたって/表紙の説明
  • 2018 年 54 巻 6 号 p. 512-513
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    ミニ特集:医療用麻薬の適正使用推進と乱用防止
    ミニ特集にあたって:我が国における医療用麻薬の消費量は先進諸国の中で最も少ないといわれ,がん疼痛治療の充実においては医療用麻薬の積極的な使用が推奨されている.また,非がん性疼痛への適用拡大や地域包括ケアにおける在宅医療推進等を背景に,医療用麻薬の利用は今後も拡大するものと考えられる.一方で,特に米国においては医療用麻薬の乱用が大きな問題となっており,我が国においても危険ドラッグなど薬物乱用に関する報道が絶えない.そこで今回のミニ特集では,医療用麻薬の乱用防止も含めた適正使用推進について,各分野の先生方にバランスよくご執筆いただいた.医療従事者,患者・家族を含め,医療用麻薬の極度な制限または安易な使用,どちらにも偏らない理解の普及が望まれる.
    表紙の説明:『紹興本草』の大黄と莨菪『紹興本草』は正式には『紹興校定経史証類備急本草』といい,中国宋代の紹興29年(1159)に完成した国定本草である.当の中国では失われたが,日本へも古くに伝来し,不完全ながらその写本が数種現存している.提示品は江戸時代後期に彩色が施された写本の大黄と莨菪の図である.大黄は,いうまでもなく古来漢方の代表的瀉下薬.莨菪は,ヒヨスチアミン・スコポラミンを含むナス科のヒヨスやハシリドコロなどの近縁植物で,従来基原植物に混乱がある.武田科学振興財団杏雨書屋所蔵(貴585).
オピニオン
Editor's Eye
薬学がくれた私の道
ミニ特集 セミナー
ミニ特集 セミナー
  • 臨床における依存の発現状況に関する知見も含めて
    吉澤 一巳
    2018 年 54 巻 6 号 p. 530-534
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    モルヒネに代表される医療用麻薬は,緩和医療をはじめとする疼痛治療の主役を担う薬であり,現在ではモルヒネ,フェンタニル,オキシコドンに加えてメサドン,タペンタドール,ヒドロモルフォンなど選択可能な医療用麻薬が増加している.しかし,「麻薬を使うくらいなら痛みを我慢する」と考えるがん患者は少なくない.重要なことは,医療用麻薬の適正使用であり,医療用麻薬に関する誤解や偏見を払拭するような取り組みを推進しつつ,同時にその取り組みが行き過ぎにならないよう,乱用防止の啓発活動も必須であることを強く認識しなければならない.
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
ミニ特集 話題
  • 嶋根 卓也
    2018 年 54 巻 6 号 p. 541-543
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    薬剤師による薬物乱用防止といえば,教育現場における薬物乱用防止教育を連想する人が多いだろう.本稿では人が薬物を使う心理社会的背景を明らかにした上で,薬物乱用防止教育を「ダメ.ゼッタイ.」で終わらせてしまうことの危険性や,薬剤師による予防教育について論じた.一方,医療現場においては,睡眠薬等の処方薬(主としてベンゾジアゼピン受容体作動薬)を不適正に使用し,薬物依存に至る症例が増加している.薬剤師は臨床業務を通じて,処方薬乱用に気づきやすい立場にある.そこで後半では,処方薬乱用に対するゲートキーパーとしての薬剤師の役割についても論じた.
ミニ特集 話題
  • 地域住民および多職種へ向けて
    政井 学
    2018 年 54 巻 6 号 p. 544-546
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    在宅医療における医療用麻薬の使用が増えてきており,これまで以上に適正な使用および管理が求められてきている.一方で,患者や家族において医療用麻薬は「怖い薬」との誤解が多い.実際に医療現場において,医療用麻薬に対する誤解から,適正使用につながらなかった事例を目にすることも少なくない.本稿では,医療用麻薬教育の現状と課題,および薬局薬剤師の関わりについて示すとともに,地域での麻薬教育について紹介する.
ミニ特集 話題
  • 柴田 護
    2018 年 54 巻 6 号 p. 547-549
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    「薬剤使用過多による頭痛 (薬物乱用頭痛,medication-overuse headache: MOH)」は,片頭痛や緊張型頭痛などの患者が急性期頭痛治療薬を過剰に使用することにより,頭痛頻度や持続時間が増加して慢性的に頭痛を呈するようになった状態と定義される.病態生理には不明な点が多いが,中枢性感作に加えて末梢レベルの異常が指摘されている.また,機能画像データなどからは薬物依存との類似性も指摘されている.実臨床では片頭痛患者がトリプタン使用過多によってMOHを来している症例が多い.トラマドールによるMOH発生には注意が必要である.
ミニ特集 話題
  • その背景と知っておくべきこと
    白川 賢宗
    2018 年 54 巻 6 号 p. 550-554
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    2000年以降,数多くのオピオイド性鎮痛薬が使用できるようになった.その利益を痛みを抱えている患者が受けられているのは言うまでもない.また,がん治療の発展もあり,がん患者の長期生存率も増加している.言い換えるならば,長い期間「がん」と戦い,そして共存する苦しい時間が増えたとも言える.つまり長期間,オピオイド性鎮痛薬を使用することも多くなった.そのような背景を踏まえ,我々はがん患者のケミカルコーピング,それに付随する知識を知る必要性がある.
最前線
  • ―ゲノムオーガナイザーSATB1
    ⻆川 清和, 谷内 一郎
    2018 年 54 巻 6 号 p. 555-559
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    T細胞には主に,ウイルスや病原体の排除に重要な働きをするヘルパーT細胞やキラーT細胞のほか,免疫反応を抑制する,いわゆる“火消し”の役割を果たす制御性T細胞,自己免疫疾患にかかわるナチュラルキラーT細胞などの亜集団がある.これらのT細胞亜集団は骨髄由来の前駆細胞が胸腺で分化成熟して構成される.胸腺のT細胞分化過程ではT細胞抗原受容体(TCR)の補助分子であるCD4とCD8の発現調整が厳密に行われる.我々はゲノムオーガナイザーとして知られる核タンパクSpecial AT-Rich Sequence Binding Protein 1(SATB1)がこれらのT細胞亜集団の分化制御に重要な働きをしていることを見いだした.
最前線
  • 寄生虫の新しい初期感染防御メカニズム
    下川 周子
    2018 年 54 巻 6 号 p. 560-564
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    腸管寄生線虫は熱帯・亜熱帯の広い地域に分布しており,世界保健機関(WHO)の発表によると,世界人口のおよそ24%にあたる約15億人もの感染者がいると推測されている(2017年1月).一度感染すると長期間にわたって人々の健康を損ない続けるため,途上国にとって甚大な社会経済的損失を生み出している.よって薬剤の開発だけでなくワクチン開発も期待されており,宿主側の防御免疫応答の解明が急務である.本稿では,腸管寄生線虫に対する宿主の免疫応答について我々の最新の知見もまじえて概説する.
承認薬の一覧
  • 新薬紹介委員会
    2018 年 54 巻 6 号 p. 565_1
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    本稿では厚生労働省が新たに承認した新有効成分含有など新規性の高い医薬品について,資料として掲載します.表1は,当該医薬品について販売名,申請会社名,薬効分類を一覧としました.
    本稿は,厚生労働省医薬安全局審査管理課より各都道府県薬務主管課あてに通知される“新医薬品として承認された医薬品について”等を基に作成しています.今回は,平成30年2月23日付分の情報より引用掲載しています.また,次号以降の「承認薬インフォメーション」欄で一般名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果などを表示するとともに,「新薬のプロフィル」欄において詳しく解説しますので,そちらも併せて参照して下さい.
    なお,当該医薬品に関する詳細な情報は,医薬品医療機器総合機構のホームページ→「医療用医薬品」→「医療用医薬品 情報検索」(http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)より検索できます.
医療現場につながる基礎科学
留学体験記 世界の薬学現場から
創薬研究から製品化へのマネジメント・モデル
トピックス
  • 森田 昌樹
    2018 年 54 巻 6 号 p. 573
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    金属カルベノイド種を用いるC-H挿入反応は,C(sp3)-H結合をC-C結合に変換できる有用な反応である.金属カルベノイド種は,ジアゾ化合物とロジウム(II)触媒との反応により容易に生じるが,ロジウムは高価かつ希少という問題がある.一方,地球上に豊富に存在する鉄を用いた触媒的C-H挿入反応は,鉄カルベノイド種の反応性が低いことから,これまで実現が困難であった.また,通常カルベノイド種は不飽和結合と反応してシクロプロパンを形成するため,アリル位でのC-H挿入反応も難しいことが知られている.最近Whiteらは,鉄触媒を利用するアリル位およびベンジル位選択的C-H挿入反応を報告したので,本稿にて紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Wolckenhauer S. A. et al., Org. Lett., 9, 4363-4366(2007).
    2) Griffin J. R. et al., J. Am. Chem. Soc., 139, 13624-13627(2017).
  • 増田 裕一
    2018 年 54 巻 6 号 p. 574
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    腫瘍細胞が免疫細胞からの攻撃を回避するメカニズムの1つに,腫瘍細胞表面に過剰発現しているprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)とT細胞表面のprogrammed cell death 1(PD-1)との結合による免疫細胞からの攻撃回避機構がある.これら免疫チェックポイント分子の特異的相互作用を阻害する抗体は,免疫応答を回復させる分子標的薬として実用化されているが,抗体医薬は,高価格,経口投与不可,高い免疫毒性リスクといった短所も多い.
    一方で,分子量500〜2,000程度の中分子は,タンパク質表面に結合するのに十分な大きさがある上に,細胞膜透過性を有するものもあり,免疫毒性リスクも少ないと考えられている.そのため,PD-1/PD-L1相互作用を標的とした抗体医薬を中分子薬に置き換える研究が進められている.ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社はペプチドリーム社と共同で,PD-1/PD-L1相互作用を阻害する特殊環状ペプチドを創製している.Magiera-Mularzらは最近,ヒット化合物として見いだされた15または14残基の環状ペプチド(peptide-57または-71)の結合様式をNMRおよびX線結晶構造解析により原子レベルで明らかにしたので紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Miller M. M. et al., patent US20140294898 A1(2014).
    2) Magiera-Mularz K. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 56, 13732-13735(2017).
  • 矢作 忠弘
    2018 年 54 巻 6 号 p. 575
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    骨粗しょう症は,低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大することで骨折のリスクが高まる疾患である.骨は破骨細胞が行う骨吸収と,骨芽細胞が行う骨形成の絶妙なバランスで動的な恒常性を維持しているが,これが破綻することで様々な骨疾患を惹起する.超高齢社会である我が国では,骨粗しょう症の患者数が1,300万人ほどと推定されており,社会的な問題となっている.今回Kimらは,ザルザニンC(ZC)が骨芽細胞の分化に影響を与え,骨形成促進に寄与することで骨粗しょう症の治療薬となる可能性を見いだしたので紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Olsen B. R. et al., Annu. Rev. Cell Dev. Biol., 16, 191-220(2000).
    2) Kim K. M., Jang W. G., Bioorg. Med. Chem. Lett., 27, 4789-4793(2017).
    3) Choi S. Z. et al., Arch. Pharm. Res., 29, 203-208(2006).
  • 茨木 ひさ子
    2018 年 54 巻 6 号 p. 576
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    医薬品開発において,医薬品規制調和国際会議(ICH)Q8ガイドラインで提唱されたクオリティ・バイ・デザイン(quality by design:QbD)という概念が一般的になっている.品質は製品化の後に検証するのではなく,製品開発の時点で組み込まれているべきという考え方であり,これにより定常的に適正な品質を持つ製品化が実現される.製剤開発では,主薬の溶解度や安定性,添加剤の組み合わせや性状を基盤として,最適な製剤処方や工程を検討する必要がある.しかしながら,その品質に寄与する因子は無数であり,探索には莫大な労力や時間を要するため,効率的な実験系を設計し統計解析する実験計画法(DoE)が活用される.
    本稿ではQbDを指向した,新規脂質ナノ粒子による経皮薬物送達システム(drug delivery system:DDS)製剤設計について,Kaurらの報告を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Gupta S., Jhawat V., J. Controlled Release, 245, 15-26(2017).
    2) Kaur A. et al., Int. J. Pharm., 533, 206-224(2017).
    3) Kaur A. et al., J Microencapsul., 33, 475-486(2016).
  • 田辺 章悟
    2018 年 54 巻 6 号 p. 577
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    中枢神経系における炎症(神経炎症)は,多発性硬化症やパーキンソン病などの脳神経疾患の病態に深く関与している.神経炎症は中枢神経系に常在するグリア細胞が惹起していると考えられていたが,近年の研究で末梢の免疫細胞が神経炎症を制御する大きな要因であることが明らかとなってきた.神経炎症の抑制は,脳神経疾患に対する新たな治療法となることが期待されているが,その制御機構は十分明らかになっていない.本稿では,神経炎症を増悪させている新たな免疫細胞を発見したKwongらの研究成果を紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Prinz M., Priller J., Nat. Neurosci., 20, 136-144(2017).
    2) Kwong B. et al., Nat. Immunol., 18, 1117-1127(2017).
    3) Lazarevic V. et al., Nat. Rev. Immunol., 13, 777-789(2013).
    4) Song J. et al., Cell Rep., 10, 1040-1054(2015).
  • 繁冨 英治
    2018 年 54 巻 6 号 p. 578
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    睡眠は動物にとって重要な生物学的過程であり,不十分な睡眠は認知機能の低下,肥満,循環器疾患などと関連する.睡眠覚醒サイクルにおいてグリア細胞が寄与する可能性はCajalによって100年以上前から指摘されていたものの,その意義は不明な点が多い.本稿では,Clasadonteらによる,脳のグリア細胞の1種であるアストロサイトが,睡眠覚醒サイクルを制御することを示した研究について紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Clasadonte J. et al., Neuron, 95, 1365-1380(2017).
    2) Sakurai T., Nat. Rev. Neurosci., 8, 171-181(2007).
    3) Ransom B., Giaume C., Neuroglia 3rd edition, 292-305(2013).
    4) Bélanger M. et al., Cell Metab., 14, 724-738(2011).
    5) Liu X. et al., Neuropharmacol., 75, 533-538(2013).
  • 海野 雄加
    2018 年 54 巻 6 号 p. 579
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    細菌が低分子を利用して周辺環境と相互作用をするのと同様に,ヒト微生物叢の代謝産物が宿主であるヒトと相互作用をする可能性は十分に考えられるが,そのエフェクター分子は不明であった.Cohenらは,エフェクター分子の探索を目的に,機能ベースのメタゲノム解析を用いてN-(3-ヒドロキシパルミトイル)グリシン(commendamide)(1)を見いだし,バイオインフォマティクスと合成生物学を組み合わせることで,複数のN-アシルアミドを同定した.そこで本稿では,これらCohenらの研究を紹介したい.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Cohen L. J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 112, E4825-E4834(2015).
    2) Cohen L. J. et al., Nature, 549, 48-53(2017).
  • 今井 康人
    2018 年 54 巻 6 号 p. 580
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症は,進行するとネフローゼ症候群を呈し重症化する疾患である.ネフローゼ症候群の治療には通常,副腎皮質ステロイド薬が使用される.しかし,糖尿病性腎症の患者には,副腎皮質ステロイド薬が慎重投与となっており,シクロスポリンなどの免疫抑制薬が使用される.シクロスポリンには腎毒性があるため,糖尿病性腎症によるネフローゼ症候群では症状の管理に難渋することが多い.ネフローゼ症候群を呈した糖尿病性腎症では,尿中に大量のタンパクが排泄されるため低タンパク血症となり,脂質異常症を合併しやすい.ネフローゼ症候群による脂質異常症では高LDLコレステロール血症を併発しやすく,HMG-CoA還元酵素阻害薬を用いることが多い.しかし,HMG-CoA還元酵素阻害薬の一部はシクロスポリンと併用禁忌である.また,高用量を使用することで横紋筋融解症の発症リスクも高くなる.そのため,薬物療法を続けることが困難となることも少なくない.
    近年,LDLアフェレシス療法は,難治性の糖尿病性腎症患者に有効な治療法であるとの臨床研究の結果が幾つか報告された.そのため,このような症例に対して,最近,先進医療としてLDLアフェレシス療法が行われている.今回,LDLアフェレシス療法の有効性と安全性を検証する臨床試験について,国内で実施されるプロトコルが論文として公表されたため紹介する.
    なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
    1) Alberico D. et al., Chem. Rev., 107, 174-238(2007).
    2) Bolton R. et al., Chem. Soc. Rev., 15, 261-289(1986).
    3) Wada T. et al., Clin. Exp. Nephrol., in press.
紹介
追悼
  • 松木 則夫
    2018 年 54 巻 6 号 p. 591
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー
    高木敬次郎先生は薬学界に薬理学分野を導入したパイオニアで,現在の薬理学の根幹となるテーマを掲げられた.鎮痙薬およびアセチルコリン受容体の研究,消化性潰瘍の研究や天然物の薬理作用解析など多大な研究業績を残され,日本薬学会会頭も務められた.医学部附属病院薬剤部長や日本病院薬剤師会会長として,薬剤師や医学部における薬剤部の地位向上に尽力された.日本薬剤師会会長として医薬分業を推進し,薬剤師教育の重要性を説かれた.
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