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亜鉛欠乏症と低亜鉛血症
児玉 浩子
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2018 年 54 巻 7 号 p. 698_1

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抄録

亜鉛欠乏症とは,血清亜鉛値が低値で亜鉛欠乏の症状をきたす状態を定義する.低亜鉛血症は血清亜鉛濃度が低下し,生体内の亜鉛が不足した状態である.血清亜鉛値の基準は80〜130µg/dLであり,60〜80µg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏,60µg/dL未満を亜鉛欠乏症と定義している(日本臨床栄養学会編:亜鉛欠乏症の診療指針2018).ICD10には「亜鉛欠乏症(E618)」の疾患名はあるが,低亜鉛血症の疾患名はない.一方,亜鉛製剤の保険適応病名は“低亜鉛血症”で,血清亜鉛値が低値(目安:80µg/dL未満)であれば,処方できる.保険申請病名は亜鉛欠乏症の同義語として読み替えられる.

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© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
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