ファルマシア
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2019 年 55 巻 5 号 p. 386-387

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抄録

特集:培養技術の新展開 マイクロ流体デバイスからbody-on-a-chipまで
特集にあたって:人体のホメオスタシスにおいて,複数の臓器間での物質・情報のやり取り(クロストーク)が注目されている.臓器間クロストークは,ホメオスタシスが破綻した病態の理解や,薬による治療の標的として重要である.ヒトでの臓器間クロストークを解析するツールとして,複数の臓器細胞を流路でつなぎ,灌流培養するマイクロ流体システムがある.1種類の培養細胞では見えなかった現象が,複数の細胞を使うことによって,あるいは物理的刺激や酸素供給などを,より生体に近い環境に設定することによって見えてくる系がマイクロ流体システムであり,これまで不可能だったin vitro実験を可能とする創薬ツールとして期待される.本特集号では,その現状,問題点,今後の展望について考える.
表紙の説明:細胞培養や人工膜の技術は,近年目覚ましい進歩をとげている.チップ上での細胞膜の再現,iPS等を利用した,より生体に近い培養細胞,臓器内微小環境を反映させたデバイス,さらには複数臓器をつなぐマイクロ流体デバイス等が開発されている.表紙は,実際の応用のイメージであり,人体との生理学的な違いを数理モデル等で定量的に補正した上で,デバイス情報から人体情報を得る.

© 2019 The Pharmaceutical Society of Japan
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