2020 年 56 巻 1 号 p. 16-20
マイトファジーは、ユビキチンとオートファジーが協調的に働き、機能不全に陥った「不良」ミトコンドリアを選択的に分解・除去するシステムである。遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子産物であるParkinおよびPINK1がマイトファジーの誘導に必須であることが解明されたのを皮切りに、マイトファジーの研究はこの10年で飛躍的に進展した。本稿ではParkinおよびPINK1の機能と、それらによって駆動されるマイトファジーの分子機構について、その発見の経緯を交えて紹介したい。