2021 年 57 巻 7 号 p. 615-619
PROTACやSNIPERに代表される標的タンパク質分解誘導剤(TPD薬)は,生体内に備わるユビキチン-プロテアソームシステムを利用して任意のタンパク質を分解できる有機分子であり,新たな医薬品モダリティとして期待されている。PROTAC/SNIPER は,標的タンパク質リガンド,E3リガーゼリガンド,両リガンドを繋ぐリンカーから構成され,主なリガンドとして小分子,中分子が用いられる.さらに,高機能化を目指した分子設計が盛んに試みられている.
本稿では,TPD薬の分子設計,開発の現状,筆者らの最近の研究成果について紹介する.