ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
トピックス
創薬のヒントは抗生物質の生産菌に聞くべし:ユニークな自己耐性機構の発見
丹羽 莞慈
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 58 巻 1 号 p. 62

詳細
抄録

抗生物質を生産する微生物の多くは,微生物自身が生産した抗生物質の作用から自らを守るメカニズムである自己耐性機構を有している.例えば,放線菌Streptomyces antibioticusは,細胞内外でオレアンドマイシンのグリコシル化/脱グリコシル化を行い,抗菌活性を制御することで毒性を回避している.このように,細菌の自己耐性機構として化学修飾を利用する例が数多く知られている一方,真菌については限られた例しか知られていない.本稿では,酸化還元反応を利用する真菌のユニークな自己耐性機構を推定したZhangらの研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Cundliffe E. et al., J. Ind. Microbiol. Biotechnol., 37, 643-672(2010).
2) Zhang Y. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 60, 2-9(2021).

著者関連情報
© 2022 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top