2022 年 58 巻 9 号 p. 858-861
アルツハイマー型認知機能障害、自閉スペクトラム症、統合失調症などの多岐にわたる疾患において、神経回路を決定するシナプスの異常を認める。近年の光学技術の発達に伴い、脳の免疫細胞であるミクログリアが、健常時、発達期、病態期の様々な場面で、シナプスと直接の接触を繰り返し、その新生、除去、維持、活動の制御などの多岐にわたる役割を果たすことが解明されてきた。本稿では、ミクログリアとシナプスに関する最新の知見をまとめ、今後の疾患研究への展望について議論する。