ファルマシア
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四本鎖核酸を標的にするSARS-CoV-2の感染抑制
飯田 圭介
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2023 年 59 巻 2 号 p. 149

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抄録
SARS-CoV-2によって引き起こされるCOVID-19の理解が進み,重要な宿主決定因子としてアンジオテンシン変換酵素(ACE2)と膜貫通セリンプロテアーゼ(TMPRSS2)が注目されている.SARS-CoV-2はエンベロープ上のS糖タンパク質が受容体ACE2と結合し,続いてTMPRSS2がS糖タンパク質を切断・活性化することで膜融合が起こり,結果として感染が起こる.そのため,これらは重要な治療標的となり阻害剤の探索が行われてきたが,未だその発現レベルの調節機構については深く研究されていない.そこで,今回著者らが着目したのが四本鎖核酸であるグアニン四重鎖(G4)である.G4はグアニンに富む配列によって形成される高次構造であり,グアニン(G)四分子からなるG-quartetと呼ばれる平面構造が積層することで形成される.G4の機能は多岐にわたるが,特にRNA上でG4が形成・安定化されることでリボソームがmRNAを読み取ることができなくなり翻訳が阻害され,タンパク質の発現を減少させることが知られている. 本稿では,RNA G4がTMPRSS2の発現レベルを調節する治療標的となることが実証されたので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Hoffmann M. et al., Cell, 181, 271–280. e8(2020).
2) Varshney D. et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 21, 459–474(2020).
3) Liu G. et al., Nat. Commun., 13, 1444 (2022).
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© 2023 The Pharmaceutical Society of Japan
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