「Exercise is Medicine」という言葉があるように,運動が薬のように様々な疾患の予防・治療法となることは広く知られている.運動療法の効果が認知されている疾患には,代謝性疾患や心血管疾患だけでなく,うつ病や不安障害などの精神疾患も含まれる.運動は体内の乳酸やケトン体などの代謝産物の量を著しく変化させる.これらの代謝産物は精神機能に作用することが示唆されているものの,その作用機序は不明な点が多い.本稿では,運動が乳酸を介して抗不安効果をもたらす機序を明らかにしたYanらの報告を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Yan L. et al., Cell Metab., 36, 2104-2117(2024).
2) Zhang D. et al., Nature, 574, 575-580(2019).
3) Bao H. et al., J. Neurophysiol., 94, 1888-1903(2005).