敗血症性ショックは,集中治療室(以下,ICU)入室患者の主な死亡原因の1つである.敗血症の管理体制の進歩にもかかわらず,敗血症性ショックの死亡率は30~35%と高い.敗血症性ショックでは臓器を維持するために迅速な血行動態の安定が求められる.日本版敗血症診療ガイドライン2024において,昇圧剤の第一選択薬にノルアドレナリン(NA)が記載され,NAに追加する第二選択薬にアルギニンバソプレシン(AVP)が記載されている.しかし,AVPへの反応性についての情報は少なく,どのような患者に効果的かは明らかではない.本稿では,敗血症性ショックに対してNAにAVPを追加する場合の,治療反応性に関連する患者特性を評価したMelchersらの論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Bauer M. et al., Crit. Care, 24, 239(2020).
2) Shime N. et al., J. Intensive Care, 13, 15(2025).
3) Melchers M. et al., Ann. Intensive Care, 15, 59(2025).
4) Gordon A. C. et al., JAMA., 316, 509-518 (2016).
5) Russell J. A. et al., N. Engl. J. Med., 358, 877-887(2008).