森林総合研究所研究報告
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遠隔操作機能と自動走行機能によるフォワーダの操作支援技術の開発
毛綱 昌弘 山口 浩和伊藤 崇之鈴木 秀典千坂 修高崎 綾信草野 兼光北原 成郎
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2016 年 15 巻 4 号 p. 91-102

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抄録
フォワーダ運転手の労働負担低減を目的として、運転席に搭乗せずに操作可能な遠隔操作機能を開発した。運転手はフォワーダに搭載されたカメラからの映像情報をモニタで確認しながら、走行および荷役の各種作業が操作可能である。さらに、フォワーダに自動走行機能を付加することで、走行操作時には操作不要となる改造を実施した。運転手が作業道を一度運転操作することで、作業道走行中の運転操作量および作業道の線形を記憶し、自動走行時には記憶した操作量を再現することで自動走行機能を実現している。自動走行時にはスリップ等の外乱によって走行軌跡から外れるため、GNSS 測位情報を用いて操作量を補正している。この試作機を用いて、作業現場における実証試験を実施した。遠隔操作機能については、走行操作および荷役操作ともに、搭乗操作に比べ遠隔操作は作業能率が低下したが、被験者からは快適性および安全性に関して高評価が得られた。自動走行機能に関しては、間伐作業地において、自動走行時の制御誤差を補正するために必要なGNSS 計測精度を確保できず、作業道の作設指針に沿った幅員では走行不可能な制御誤差が確認された。これらの結果から、試作機を用いて作業可能な現場は限定的ではあるが、運転手の労働負担を減らす一手法であることが確認できた。
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