森林総合研究所研究報告
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常陸太田試験地内の源頭部小流域における間伐が樹冠遮断量、 蒸発散量および流出量に与える影響
久保田 多余子 坪山 良夫延廣 竜彦
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2018 年 17 巻 1 号 p. 63-73

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抄録
源頭部小流域における間伐が樹冠遮断量、蒸発散量および流出量に及ぼす影響を対照流域法によって調べた。1986 年に植栽したヒノキ林を3年間のキャリブレーション期間(2006-2008年)の後、2009年3月に強度に間伐した。土壌表面の攪乱を防ぐため、間伐はチェーンソーを用いて人力で行い、間伐木はその場に切り捨てた。間伐強度は本数で50 %、材積で30 %、また胸高断面積合計で 22.5 %であった。樹冠遮断量は間伐後最初の年に4 % 減少し、徐々に回復して間伐3年後には間伐前の水準に戻った。年流出量の増加量は間伐2 年目に最大値となり、147 mm であった。間伐後(2010-2012年)の年流出量の増加量の平均値は54 mm であった。この増加量は有意ではなかった。間伐後の平均年蒸発散量は有意に140 mm 減少し、特に蒸散期の減少量が大きかった。このように、源頭部小流域における強度間伐は、短期間でみれば、林内降雨量を増やし、流出量を増すのに効果的であると考えられた。
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