森林総合研究所研究報告
Online ISSN : 2189-9363
Print ISSN : 0916-4405
ISSN-L : 0916-4405
平成23~27年度に調査した収穫試験地等固定試験地の経年成長データ (収穫試験報告 第26号)
西園 朋広 細田 和男家原 敏郎鷹尾 元齋藤 英樹石橋 聡高橋 正義古家 直行小谷 英司齋藤 和彦田中 邦宏田中 真哉光田 靖北原 文章近藤 洋史高橋 與明佐野 真琴
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2019 年 18 巻 2 号 p. 231-273

詳細
抄録
森林総合研究所は林野庁の各森林管理局と共同で、全国の国有林に現在およそ180か所の収穫試験地を設定し、定期的な林分調査を行っている。このうち本報では、平成23~27年度に調査を実施したスギ・ヒノキ・カラマツ・トドマツの人工林収穫試験地等39試験地、76試験区およびアカマツ天然林収穫試験地1試験地、3試験区の調査結果を、過去の林分成長データとともに報告した。各試験地では比較的精密な毎木調査が実施されてきた。例えば、原則として、立木に識別番号を付して間伐、被害、枯死などの消長を記録した。また、胸高直径についてはペンキで印づけして固定した胸高位置で全数を測定した。樹高については測高器を用いて、原則として、全数を測定した。多くの試験区では、寺崎式B種間伐に相当する中庸度の下層間伐が施されている。ただし、一部の試験区では、間伐を全く実施していない場合や植栽本数・間伐強度を通常より多く (もしくは少なく) 設定した場合がある。これらの試験地から得られた時系列データは収穫表の検証や調製のほか、人工林の長期成長特性や間伐効果の解明、成長モデルのパラメータ調製などに応用されており、有益な研究基盤といえる。今後、適切に継続調査を実施することで、さらにデータの価値を高めることができると考えられる。
著者関連情報
© 2019 森林総合研究所
前の記事
feedback
Top