Functional Food Research
Online ISSN : 2434-3048
Print ISSN : 2432-3357
Lactobacillus acidophilus L-92含有食品摂取による花粉症有症者に対する影響
勘里 裕樹
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キーワード: アレルギー, 花粉症, T細胞
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 15 巻 p. 42-47

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抄録

Lactobacillus acidophilus L-92(L-92株)は,抗アレルギー作用が期待される乳酸菌として選抜されてきた.実際に,L-92株を含む食品を摂取させたヒト試験において,通年性アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎といったI型アレルギー反応によるアレルギー症状の緩和が認められている.本総説では,L-92株含有食品の経口摂取による花粉症諸症状に対する影響を評価した.
 2018年1月27日~2018年4月20日に,1日摂取量当たり20.7mgのL-92株を含むタブレット食品を12週間摂取させ,アレルギー日誌による花粉症諸症状スコアを評価した.その結果,くしゃみの回数スコアにおいて,摂取12週後にプラセボ群と比較して有意に低い値を示した.また,眼のかゆみスコアにおいて,プラセボ群と比較して,試験期間を通して有意に低い値を推移し,アレルギー症状の緩和が認められた.また,血液中の抗原特異的IgE抗体量が低い値を示していた.
 これらの結果から,L-92株はアレルギー症状を緩和する安全な食品素材であることが示された.

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© 2019 ファンクショナルフード学会
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