抄録
本報告は、建築学会声明で示された「LCCO2 30%削減·耐用年数3倍延伸」を目標とする建築のモデル提案を行ったもので、提案モデルの基本概念や技術的解決手法を示すと共にLCCO2削減効果の試算結果を記した。提案する建築は、都心に立地する住宅·業務複合施設を想定している。長期供用が可能な分離支持型架構システムに、階高変更や異種用途への転用が容易に行えるインフィルを内包させる構成とし、棟全体はエネルギーの調整機能を有するガラス外皮で覆っている。自然作用を積極的に利用すると共に、エネルギー需要の異なる用途間での平準化等によりエネルギー利用の高効率化を図っている。提案モデルのLCCO2は、一般建築の64%との試算結果を得た。