日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
Online ISSN : 2760-3423
2002年大会学術講演会研究発表論文集
選択された号の論文の47件中1~47を表示しています
  • その1 再乳化形粉末樹脂混入ポリマーセメントモルタルの基礎物性
    小川 晴果, 川口 徹, 甚野 学
    p. 1
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    再乳化形粉末樹脂を混入した低水セメント比の高強度セメントモルタル(W/C=25.0%圧縮強さ95N/mm2)の試験結果から以下の各項が明らかとなった。(1)ポリマーセメント比の増加に伴い、フロー値は減少し空気量は増大する傾向にある。(2)ポリマーセメント比の増加に伴い、曲げ強さ及び最大引張縁ひずみは増大し靭性が改善されるが、圧縮強さは減少する。(3)ポリマーセメント比の増加に伴い、吸収率は減少するが、乾燥収縮は増大する。(4)ポリマーセメント比の増加に伴い、塩化物イオン浸透深さは減少する。ポリマーセメント比にかかわらず、中性化及び凍結融解に対する抵抗性は著しく優れている。
  • 林 隆博
    p. 2
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    フロン系発泡剤を一切使用しない高断熱性能の押出法ポリスチレンフォーム(XPS)を開発した。従来、XPSの高断熱グレードでは、発泡剤にHCFC142bが使用されているが,HCFC規制に対応する為、グリーンガスであるイソブタンへの発泡剤転換に取り組んだ。イソブタンへの転換によって発生する断熱性能の低下を、独自の気泡構造(複合セル構造)の開発によって補い、また、可燃性ガスの使用による難燃性能の悪化に対しては,新規難燃剤配合を開発する事によって解決した。本製品は、XPS高断熱グレードの性能を有すると共に、オゾン層保護、地球温暖化防止に効果を発揮し、また、リサイクル適合性を有する点からも優れた環境適合性商品であると言える。
  • 森本 大介, 若杉 雄一, 内藤 文明, 宮木 章吉, 津田 修, 高橋 孝治
    p. 3
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    ストック建築時代に突入した現在、建築に対するリニューアル工事への対応が最も求められている。その中にあって、塗装工事での既存塗膜処理は重要な役割をもち,これまで種々の材料や工法が開発されてきたが、その際に発生する雑音及び粉塵処理が万全なものではなかった。そこで、騒音·粉塵·有害発癌性等の問題点を解決し、環境汚染の影響が最も少ない方法として、「非塩素系溶剤形剥離剤」を使用した塗膜処理方法に着目した。本文では、実際の改修工事物件に試験的に使用したデータを基に、その剥離効果及び周囲の環境に与える影響を考察していく。
  • その2 ガラス繊維と炭素繊維について
    和田 高清, 荒井 光興, 今泉 勝吉, 大塚 毅, 天野 晋武, 後藤 卒士民
    p. 4
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    連続炭素繊維シートによるRC構造物の補強は、強度(靭性)や施工性の高さで注目されているが、材料の供給展開や経費の点から現在伸び悩んでいる。一方、ガラス繊維による補強は、実績も少なく、しかも二次的部材の補強が主である。この原因は、炭素繊維に比して、強度が小さく、アルカリに弱いことである。しかし、最近のガラス繊維は、耐アルカリや高強度を持ち、RC部材の補強に十分な性能を有するばかりでなく、適度の変形性能により、RC部材との相互挙動に優れている。また、価格も安価でRC構造物の補強に適している。ここでは、ガラス繊維補強の基礎的特性と補強効果を検討し、今後の補強工法に資することを目的とする。接着材は、エポキシ樹脂に加え、ポリエステル樹脂についても検討した。
  • 長谷川 拓哉, 大久保 孝昭, 井戸川 純子
    p. 5
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    ユーザーの要求する耐久性を実現する仕様選択のためには劣化の評価手法が必要であるが、その評価手法としての暴露試験及び促進試験は標準的な方法が確立されておらず、各試験結果同士を単純に比較ができないのが現状である。本研究では、標準的な試験方法の確立を目的とし、材料·部材等を劣化させる試験における標準的な劣化外力を検討するため、各種表面仕上材を施したコンクリート供試体に実験室内で様々な温度変化を与える実験を行い同条件の供試体の屋外暴露試験結果等との比較検討を行った。その結果、暴露試験結果と促進試験結果では異なる場合があり、促進試験による評価は実環境下での要因を考慮する必要があること等の知見が得られた。
  • その5 真空脱水締固め工法の処理マット網目径の影響
    畑中 重光, 村松 昭夫, 山口 武志, 和藤 浩, 三島 直生
    p. 6
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    筆者らは、真空脱水締固め工法による床スラブコンクリートの品質改善効果に関する詳細な検討を行ってきた。本工法の特長の一つとして、セメント粒子をほとんど通さない処理マットを採用していることが挙げられる。処理マットの目が粗いものは、セメント粒子を吸引し、コンクリート表面の組織が充分に密実化せず、表面強度および表面仕上げの作業性が低下するといった問題点が発生する可能性がある。本研究では、真空脱水工法に用いる処理マットの網目径の違いが、セメント粒子の吸引量に吸ぼす影響を調べるとともに、その結果として、コンクリートスラブ試験体の表層および内部強度分布性状がどのように異なるかを検討した。
  • その6 真空脱水締固め工法の処理開始時期の簡易判定手法
    畑中 重光, 村松 昭夫, 山口 武志, 堀 新吾, 小林 広実, 和藤 浩, 三島 直生
    p. 7
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    筆者らは、真空脱水締固め工法による床スラブコンクリートの品質改善効果に関する詳細な検討を行ってきた。その結果、改善効果を最も発揮する脱水処理の開始時期は、ほぼブリーディング終了時であることが確認されている。しかし、ブリーディング現象は、諸要因の影響を受けるため、脱水処理の適切な開始時期も複雑に変化する。また、実際の施工現場では、作業者の経験則によって施工時期が判断されており、施工時期の判定基準の提案が切望されている。本研究では、ブリーディングの状況をフレッシュコンクリートのコンシステンシーから簡易に推定し、真空脱水処理工法の適切な開始時期を判定する方法に関して、実験的な検討を行った。
  • 数矢 彰, 佐野 拓一, 堀 長生
    p. 8
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    蓄熱槽断熱防水工法の内、塩化ビニル樹脂シートを用いた機械的固定工法で約18年前に施工した高深度型蓄熱槽の経年調査を行った。この結果、サンプリングしたシートの引張·伸び性能は、物性測定結果から未だにJISで規定する範囲内を示していることが判った。また、断熱材は部分的に変形していたものの、シートがその変形状態に追従することで防水層の損傷を免れた箇所が多く見られた。このことから、防水層が確実に形成された蓄熱槽断熱防水の長期的維持を考える場合には、断熱材の選定と防水材の伸び性能がポイントになると考える。今後は、蓄熱槽の経年調査に対し、積極的なデータの蓄積と使用材料を評価する試験の有効性を確認することが課題になると言える。
  • 川崎 三十四, 田鍋 悟史, 松井 勇, 湯浅 昇
    p. 9
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    本研究は各色彩の塗料を施した材料の日射による表面温度を推定することを試みたものである。夏季と冬季に各色彩の塗料を塗布した材料を屋外暴露して表面温度を測定した。測定に用いた材料は熱的性質の異なるアルミニウム,ステンレス,ガラス,アクリルである。塗料は水性とし,白色,黄色,赤色,緑色,青色,黒色を用いた。表面温度を測定した結果から,外気温と材質,色彩が異なる場合の表面温度の違いを検討した。
  • 本橋 健司, 三浦 正継, 境沢 朋広
    p. 10
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    溶剤形塗料3種類、弱溶剤形塗料2種類および水性エマルション塗料8種類を米国フロリダで3年間暴露し、3ヶ月毎に色差および光沢を測定した。なお、測定は、水洗した部分と未洗浄の部分について実施した。光沢保持率を塗料間で比較した。その結果、溶剤形塗料塗料では樹脂の特性を反映した差異が認められた。また、水系エマルション塗料の中には溶剤形塗料と同等の光沢保持率を有するものも認められた。色差については洗浄の有無により大きな差異が認められた。また、洗浄後の色差変化は1年経過後から3年経過までは大きく変化しなかった。
  • 角井 和夫, 村上 信直, 大澤 悟, 岡本 肇, 長谷川 完
    p. 11
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    環境意識が高まりつつある昨今の世界情勢の中、建築塗装の分野においてもその影響は大きい。溶剤系を中心とした臭気の強い仕上げ材料の使用制限は、新築、改修を問わず日毎に厳しいものとなっている。本発表では、溶剤系の高耐久低汚染塗料に代わる水系、弱溶剤系材料の開発における経緯を実験的見地より報告し、且つ比較品として溶剤系の同種材料を評価することによりその性能差を明確にし、それぞれの塗料の特徴を活かした施工を推奨した。性能の評価については、本目的における基本機能として汚染性および促進耐候性、様々な気象条件下での塗膜形成を評価する初期乾燥性などを中心とした。その他、環境への影響を判断するものとしてVOC量、その上で各法的な規制、環境への配慮の必要性を提案した。
  • 高柳 敬志, 木村 功
    p. 12
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    FEVE系塗料用ふっ素樹脂(商品名:ルミフロン系)の構造と耐久性を他種ふっ素樹脂と比較しながら検討した結果をまとめた。構造の違いや、顔料分散性の差が、促進耐候性に影響を与えていた。また、建築分野、防食分野における長期実使用における耐候性の結果はほぼ良好であり、15年を超えて光沢保持率がほぼ、100%の物件も多数となってきた。汚れなどの状況とあわせて、追跡調査結果を報告する。
  • 笠井 康吉, 山崎 達朗
    p. 13
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    戸建て住宅市場における外壁用建材の主流は窯業系サイディング材であり、その多くはアクリル樹脂系塗料が使用されている。本研究は昨今の社会的な環境問題への取り組みの一環として、工場にて新たに製品化されるサイディング材の耐久性向上と、既に戸建て住宅外壁等に取り付けられているサイディング材の耐久性延命化を付与し得る高耐久性塗料(塗装仕様)の開発である。開発品は、塗装環境における安全性と低VOCを考慮し、さらに多色模様や複雑な形状(意匠·デザイン)に対応し得る、水性ふっ素樹脂エマルションを主成分とするクリヤー塗料である。本研究開発品により、工場ライン塗装品や既設の外壁材として用いられている従来のアクリル樹脂系塗膜に一層塗り重ねることで、既存の意匠性を損なうことなく耐久性を付与できることが確認できた。
  • 山田 淳史, 酒井 茂, 池永 博威
    p. 14
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    室内の汚れは建築材料の種類、建物の仕様、空間内の清掃回数、建物の経過年数などさまざまな要因によって汚れの発生状況が変わってくる。本研究では実際の建物の内装を調査し、汚れの現状の把握と汚れの発生要因を明らかにし、材料設計のさいの資料に供することが目的である。今回は調査建物を学校に絞り、幼稚園·保育園3校,小学校5校,中学校1校,高校2校,障害者施設学校1校の計12校の調査を行った。
  • 桜田 将至, 佐々木 徹
    p. 15
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    クリーンルーム環境中の分子状汚染物質は、近年半導体·液晶産業を始めとする先端産業では汚染要因として重要視されてきている。今回の開発では、鉄部に塗装されるエポキシ樹脂系塗料は汚染性の高い高沸点有機化合物や乾燥後に塗膜中に残存する遊離アミンを低減し、更に蒸発速度の早い有機溶剤組成として乾燥時間の短縮を行い。また、ボード及びコンクリート面に塗装される水性アクリル樹脂系塗料はアンモニアの発生を抑制すると共に添加物の揮発性有機溶剤、成膜助剤、凍結防止剤を排除し、有機化合物の発生を従来品の3分の1以下まで低減した。
  • 久保田 浩
    p. 16
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    二酸化チタンの光触媒作用の汚れ防止効果に着目し、建築用の外装材の内、光触媒塗料について、耐汚染性の評価を行った。試験は、当社技術センター屋上にて屋外暴露試験を実施し、暴露前と暴露後の明度差(ΔL*)を求めて評価した。その結果、光触媒塗料は、他の塗料と比較すると耐汚染性に優れていることが分かった。しかし、耐候性や塗り重ねによる問題が多くの銘柄で認められることから、採用には注意が必要である。今後、光触媒塗料が発展するためには、耐久性の向上などの更なる検討が必要であると考える。
  • その4 光触媒系外装タイルの屋外暴露試験および促進耐候性試験
    板谷 俊郎, 三浦 勇雄
    p. 17
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    最近、盛んに使用されつつある抗菌および防汚性能を有する建材の実用的な評価方法は、未だに確立されていない。そこで著者らは、表面抵抗によって抗菌および防汚建材の性能を評価することを試みてきた。本報では、防汚性能を有する光触媒系外装タイルに関して、屋外暴露試験約1年および促進耐候性試験3,000時間を行い、表面抵抗による評価方法を適用して、汚れと表面抵抗との関係を調べるとともに、汚れを呈するときの防汚建材の活性を表面抵抗によって求めることを目的とした。その結果、タイルの汚れと表面抵抗とが対応していることが分かった。したがって、表面抵抗によってタイルの汚れを定量的に評価することが可能であると考える。
  • 遊佐 秀逸, 本橋 健司, 増田 秀昭, 大貫 寿文
    p. 18
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    有機系接着剤を用いたタイル張り外壁の耐火性能を検証するための加熱試験を実施し、加熱温度、コンクリート表面温度、接着剤温度、鉄筋温度、面外方向変位量及び試験体裏面温度等を測定した。加熱開始後約8分∼9分経過時より脱落開始が観察されており、これに伴い有機質接着剤の燃焼が生じて炉内温度の上昇の原因となっている。タイルの脱落により有機接着剤が燃焼しても、外壁としての鉄筋コンクリート製PC版に防火上の諸問題は生じないと云える。
  • 鳥山 信治, 堀 長生, 米澤 璋, 久住 明
    p. 19
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    光触媒防汚タイルを有機系接着剤により施工した実施工物件において、光触媒防汚タイルの使用環境と経年汚れの評価、及び光触媒機能の耐久性について評価を実施。また有機系弾性接着剤に関しては、モルタル張り工法との施工能率の比較、および接着耐久性に関して評価を実施。施工2年後までの調査で次のことが明らかになった。1)既調合モルタル張りに比べて接着剤張りの施工能率は優れる結果となった。2)接着強度の経年変化は小さく劣化傾向は確認されなかった。3)光触媒タイルの水接触角は初期の基準である15度以下を維持しており機能の低下は見られなかった。4)実際の使用条件下において光触媒防汚タイルは十分な防汚効果を発揮した。
  • その13 タイル張りALC板の疲労試験結果
    大塚 毅, 今泉 勝吉, 天野 晋武, 荒井 光興, 和田 高清, 磯田 穣司
    p. 20
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    弾性接着剤によるタイル張り工法は、十分な接着強度を有することが分っているが、耐久性や安全性など明確なデータ·評価基準をはじめ、なによりも実績がない。また、タイル張り工法に最適な接着材の検討や接着材に適した工法·評価法も確立していないのが現状である。また、筆者等は、被着材にコンクリート板を使用して、弾性接着材,硬質エポキシ樹脂,モルタルによるタイル張り外壁の耐久性を検討して、弾性接着材は、初期接着強度は低いもののS-N曲線的に見ると疲れ強さに優れていることが分かってきた。ここでは、最近多く使用される押出成型板とALC板を被着材に加え、PC板と比較·検討を試みた。
  • その1 立体要素グラフの面接合による生成法
    高橋 泰一
    p. 21
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    仕上面構成パターンには、そのトポロジカルな双対構造として、1:1で対応する根付きメタグラフ多様体が存在する。このメタグラフ多様体の基本構造であるグラフ多様体は、線要素基本グラフ、面要素基本グラフ、立体要素基本グラフと、これらの点接合、線接合、面接合の組合せパターンで示すことができる。本報では、グラフ多様体の基本となり、また最も複雑な構造となっている立体要素グラフについて、立体要素基本グラフと、その表面を加算面とする面接合法によるアルゴリズムを示すとともに、このアルゴリズムによる作業によって得られた7点までの立体要素グラフの数え上げ結果を図によって表示し、報告するものである。
  • 八木下 修満
    p. 22
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    わが国の事務所ビルでは、執務空間に重点が置かれる。採光が入らない空間は、倉庫やコピー室等に使われる。一般に無窓空間に居る人間は、単調感や閉鎖感を受け、心理的に否定的になる。審議の採決や討論を行う会議室では窓の有無が心理的や精神的に影響を及ぼす。この報告では無窓会議室の定義をし、調査事例を紹介し、対策について述べる。対策では無窓会議室の閉鎖感や単調感の軽減について述べる。
  • その1 形状·配色による分類
    加藤 直子, 対馬 隆介, 渡邊 健
    p. 23
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    段差を視認するためのプレートが、地下鉄やJRの階段で随所に見られる。しかし、その種類は多様でプレートを必要とする者にとって利便性が悪い。また摩耗による損傷を受け、みづらくなっているプレートも少なくない。本研究は段差の視認性の高い、統一されたプレートの確立を目的としている。本報告では、まず始めに営団地下鉄(銀座線·南北線·有楽町線)の実態調査を行った。次に弱視者、および健常者の立場から見やすいとされるプレートの形態の抽出を試みた。それぞれのプレートの配色における明度差値を表し、そしてサンプルを用いて行った健常者へのアンケートの結果によって、その形態を比較及び検討した。
  • 山内 一生, 鹿島 大策, 佐藤 勇介, 渡辺 友理
    p. 24
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    武蔵野美術大学には元建築学科主任教授の芦原義信氏によって設計された数多くの打放しコンクリートの建物がある。そのコンクリート建築の大半はすでに築20年以上がたち、劣化の進行によってひび割れが壁面に生じている。建物ごとに汚れの種類、程度を分類した上でその汚れが占める割合と数量を調査した。大学の中枢機能を有する築34年の一号館では、目立った汚れとして、補修後113箇所、苔10箇所、エフロレッセンス6箇所が見られた。
  • 吉田 空, 藤本 彩, 向坂 穣, 富田 誠, 橋口 博幸, 森元 久留美, 吉田 藍, 伊藤 光
    p. 25
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    最近、多くの駅でチップ制のトイレや有料トイレが見受けられる。また、都心のデパートの多くがトイレを改修し、高級感の高いトイレが増えてきた。こういった変化は、利用者の公共のトイレに対する意識の変化をあらわしていると言えるだろう。つまり、「臭い、汚い」トイレという意識から、「くつろげる空間」としてのトイレという意識への変化だ。新たにデザインされ、生まれ変わったトイレを調査したところ、それらのトイレに共通点が見られた。それは、機能性の向上と意匠性の向上である。この二つの要素が両方満たされた時、くつろげる空間としてのトイレが成立する。これから設置、もしくはリニューアルされるトイレは、この二つをいかにして両立させていくかが課題となる。
  • 戸井田 雄, 佐藤 圭映, 池田 良子, 大石 みどり
    p. 26
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    東京は5年間で2.9度も平均気温が上昇し、屋上庭園の設置、ガソリン規制の対策を打ち出し、ヒートアイランド現象へ行政も本気で対応を開始した。屋上庭園と同様に池や滝といった水空間は、ヒートアイランド現象を緩和する働きがある。こうした水空間を過密建築において有効であると考え、本論文は都心にある水空間の現状を調査し、今後の施策のデータの一助にあることを要望するものである。調査結果を以下にまとめる。
    ·素材の多くは石材であり、意匠性と耐久性の面で優れた御影石が最も採用されている
    ·形状は静水型、滝型、噴水型、階段型の4型に分類できる
    ·落下型と噴水型は水に動きがあり、水底に苔が生じにくいためメンテナンスの面で有効的である
  • 小林 陽子, 鈴木 孝昭, 砂田 清美
    p. 27
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    仮囲いはもともと工事現場等の危険な現場に人が侵入するのを防ぐ目的で内外を遮断する為に用いられた。そしてその種類は、建物の形態等に合わせて様々な物がある。そこで、それらの仮囲いを、
    A.従来型…最低限の機能を果たすもの。
    B.改良型…Aに地域住民の事を考慮したオプションを加えたもの。
    C.クライアント型…建築物の依頼主である企業やブランドの宣伝効果の高いもの。
    D.ロゴマーク型…建設会社や設計事務所のロゴマークをデザインとして取り入れ、宣伝効果としているもの。
    という4つの型に分類した。
    そして、その分類した4つの型を色調や面のデザイン性等の項目で比較し、また更に仮囲いの建築物の用途別傾向も割り出した。また、現在では面にデザイン的な要素を取り入れることによって、企業や商品の効果的な広告塔としての役割も果たすようになった。
  • 小倉 壮平, 金井 駿介, 天水 義敬, 永山 紘章, 山本 大介, 伊藤 綾, 武田 真理
    p. 28
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    都会の過密なる狭い空間の中に建つペンシルビルは、火災や耐震性に対して一般のビルより性能が劣る。特に火災時の避難においては、いったん火が回ると避難しにくい。そこでペンシルビルの避難経路の調査を始めとし、ペンシルビルの特徴と問題点を取り上げた。本調査は調査地域を東京中央区銀座にしぼり、100のビルについて概要を調査した。安全性の面から建物の規模、タテとヨコの比率、避難階段の設置状況、外観の面から外壁材料の種類、サインの種類を調べた。以上の調査結果をふまえて、適正なるペンシルビルのあり方を検討した結果からいくつかの建築提案(1,共用屋上スペース 2,避難経路の共有化 3,外壁の連結化 4,巨大スクリーンの設置など)を述べる。
  • 山口 善弘, 青山 謙一, 坂元 昭一, 菊池 雅史, 小山 明男
    p. 29
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    2002年5月に施行された建設リサイクル法では、分別解体を義務づけるとともに発生する廃棄物の量をあらかじめ推定することを推奨している。これまで、コンクリートや金属などのリサイクルしやすい廃棄物については、発生量の推定が行われていたが、仕上材についてはほとんどなされていないのが現状である。本研究は、国土交通省『建築業における外部コスト評価手法の調査研究』の一環として位置づけられており、本報告は、明治大学のB地区再開発に伴って解体される建物(合計約23,300m2)について、青山謙一氏が提唱する解体設計に基づき、各種建築廃棄物の発生量を予測し、建設リイクル法で義務付けられている分別解体の計画、契約書面へ解体工事費等の明記をする際に明確な資料の提供を行う。
  • 伊藤 昭博
    p. 30
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    既存ビルのリニューアルが、新築工事の減少や、資源保護の観点から注目を浴びている。総論や、各論の改修手法や技術については数多くの発表がなされている。しかし、個別の企業や組織の維持保全担当者が、どのような考え方や工夫をして実際の業務を行っているかは、語られることが少ない。いくら優れた研究があっても、それが実践の場で、現実の作業に置き換えられなければ、あまり社会的価値はない。研究対象や論文にはなりづらい分野ではあるが、あえて、デベロッパーの改修部門がどのような考え方をもっているか紹介し参考にしていただきたい。今後、似た観点の発表が多くなり、改修の方法論について具体的な意見交換が行われることを期待したい。
  • ホメオスタシス建築
    山本 正人, 山田 純, 宮崎 賢一, 黒木 友裕
    p. 31
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    本報告は、建築学会声明で示された「LCCO2 30%削減·耐用年数3倍延伸」を目標とする建築のモデル提案を行ったもので、提案モデルの基本概念や技術的解決手法を示すと共にLCCO2削減効果の試算結果を記した。提案する建築は、都心に立地する住宅·業務複合施設を想定している。長期供用が可能な分離支持型架構システムに、階高変更や異種用途への転用が容易に行えるインフィルを内包させる構成とし、棟全体はエネルギーの調整機能を有するガラス外皮で覆っている。自然作用を積極的に利用すると共に、エネルギー需要の異なる用途間での平準化等によりエネルギー利用の高効率化を図っている。提案モデルのLCCO2は、一般建築の64%との試算結果を得た。
  • その5 再利用
    浦 憲親, 蒲田 幸江
    p. 32
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
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    土壁用の壁土の再利用について述べている。
  • 平井 和喜
    p. 33
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    建設廃棄物の中で大きな位置を占めるコンクリート塊を再生骨材として,寒冷地で幅広い活用を図ることを目的に実施した研究の成果をまとめたものである。先ず寒冷の程度を考慮した耐凍害性を評価する基準を定め、その有用性を東北地方42地点の気候資料を基に検証した。即ち各地域の10年に一度出現する最低気温を気象資料から求め,その結果各観測地点のほとんどが−10±2,−14±2,及び−18±2℃の3水準の何れかに属することを示した。次にこの気温区分を再生骨材モルタルの凍結融解試験の環境因子として取入れ、空気量の有無及び各種W/Cの条件の基に凍結融解試験を実施した。その結果、各種気象環境下での建築の仕上げ材料或はコンクリート二次製品の仕上げ部として使用可能な再生骨材モルタルの材料条件を明らかにすることが出来た。
  • 小山 明男, 菊池 雅史, 金丸 和樹, 矢野 直達, 小宮 岳枝
    p. 34
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年プラスチック系建材の処理·処分の方法を巡る環境影響に及ぼす懸念から,積極的なリサイクル推進が,多方面で取り組まれている。廃プラスチックのうち,熱可塑性樹脂については各種の建設資材の原料として活用されている。しかしこれらの廃材は,主として建設業界以外から排出される産業廃棄物と考えられ,建築物の解体·撤去工事に伴って発生した廃プラスチックについては,ほとんどリサイクルの実績がないと考えてよい。そこで,建築物の床用材料として使用された後に,改修,解体により撤去された塩化ビニル製床材について,これをリサイクルとして床材製品の原料とすることの可能性について,実験検討した。
  • 河辺 伸二, 高橋 清久, 永田 謙二, 小西 正夫, 小野田 有希久, 高桑 芳樹
    p. 35
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック廃棄物が大量に排出され、このリサイクルの重要性が高まっている。プラスチック廃棄物を分別せずにプラスチックのみで溶融成形を行った場合、成形後のリサイクルボードの曲げ強度は小さく、ボードとしての使用は不可能である。そこで、繊維化したプラスチック廃棄物と古紙を混合し、熱間プレスにより成形するリイサクルボードを開発する。本研究の特徴は、(1)プラスチック廃棄物を溶融し、各々のプラスチックの融点の違いを利用すること、(2)遠心力を用いて繊維化することにより、多種雑多なプラスチック廃棄物を分別する無分別繊維化工程を採用していることである。
  • 永井 香織, 市原 英樹
    p. 36
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年,シックハウスは,社会的な問題である.その対策は,材料選定,換気計画,施工計画が上げられる.その他に,ベークアウト対策が有効だとされている.しかし,ベークアウトは,室内全体に温度をかけるために,建材に必要以上の負荷がかかる場合がある.本研究は,材料に予め温度をかけることで,揮発性有機物質の濃度低減の効果を確認した.具体的には,温度と時間を変化させ,チャンバーにより実験をおこない,材料からの放散速度を確認した.その結果,物質によって濃度低減効果が異なることが確認できた.
  • 細田 浩之, 山本 正樹, 石川 和憲, 市原 英樹, 永井 香織
    p. 37
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    シックハウス症候群に代表される建築物の室内空気汚染対策として、揮発性有機化合物(VOC)をほとんど発生させないウレタン系木質床用弾性接着剤を開発した。この接着剤は、床用として必要な作業性、接着性、床鳴り防止性、耐熱性などの諸性能を満足する一方、徹底した原料開発により、揮発性有機化合物の放散を極力抑えた。小型チャンバー法(ADPAC)による測定で、厚生労働省指定物質(13物資)はすべて「検出限界以下」、またTVOC量は、同省の暫定目標値(400μg/m3)を下回った。床以外の室内用接着剤としても展開が期待される。
  • 市原 英樹, 永井 香織, 市原 真希, 佐藤 康広
    p. 38
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    新築住宅に関して、初濃度が上昇するのがよく知られている。揮発性有機化合物の発生は,内装工事の開始より急激に多くなり,ほとんどの建物の場合,そのままの状態で完成を迎えるため,濃度が減少しないままである.本研究は,内装工事完了から完成時に換気を常時行った場合に,揮発性有機化合物の濃度が減衰するかを把握すると共に,換気の有効性について述べる.養生方法は,換気口のみを開けた場合,レンジフードの換気扇を運転した場合,空気清浄機を運転した場合の3種類の方法について行った.測定は,居間と寝室について行った.濃度測定は,換気を開始してから一ヶ月間の減衰を把握した.実験結果は,空気清浄機を運転した場合は初期段階から濃度が減少した.密閉の場合は,逆に濃度が上昇するケースが見られた.
  • その2 模擬洗浄試験後の屋外暴露試験1年6ヶ月の結果
    一宮 真人, 近藤 照夫, 若生 伊知郎, 松原 静司, 宇野 清文
    p. 39
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    アルミパネル外装材に使用される陽極酸化皮膜仕様について、シール目地からの汚れに対し有効な洗浄剤を検討中である。前回は、著しい汚れに効果があると思われる特殊洗浄剤(フッ化物含有、強酸性、強アルカリ性)を用い、健全な陽極酸化皮膜仕様に対して模擬洗浄試験を行った結果、フッ化物含有タイプが最も皮膜表面に影響を与えることを報告した。今回は模擬洗浄試験片を1年6ヶ月間、垂直暴露試験に供し、皮膜表面の変化を確認した。その結果、前回、模擬洗浄による拭きムラが確認されたフッ化物含有タイプを使用した水準では、白化がより進行していることが確認された。また、皮膜表面をSEMにより観察した結果、この水準には多数のクラックが確認された。
  • 神山 恵寿, 近藤 照夫, 大久保 孝俊, 宮本 修志
    p. 40
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    アルミニウム外装等の金属外装の改修に注目し、美観を改善する工法を検討した。使用する材料は表面にフッ素系樹脂をラミネートした耐候性に優れる合成樹脂フィルムで、裏面にはあらかじめ感圧型接着剤が塗布されており、施工の際には裏面の剥離紙を剥がして被着体に圧着するものである。本報告では特にアルミニウム基材に注目して、剥離試験による接着性の評価、促進耐候性試験機による耐候性の評価等を行なったが、いずれも良好な結果を示した。フィルム張りによる改修は耐久性に優れた新たな改修方法として適用可能であると考える。
  • 小宮 岳枝, 小山 明男, 菊池 雅史
    p. 41
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    1995年の兵庫県南部地震は構造物に大きな被害を及ぼすばかりでなく,非構造部材についても多大な被害を及ぼした。これら非構造部材の耐震性に関する研究は,構造駆体に関する研究に比べ,少ないといえる。さらに非構造部材における静的実験および動的実験についての実験はなされてきているものの,衝撃力に対する加力実験は一度もなされていない。そこで本研究では,大地震時における耐震性および安全性を的確に評価するため,ALCパネルの衝撃力加力時における破壊性状に関する基礎的研究を行い,その結果ロッキング構法においては衝撃力で加力した場合においても被害は見られず,十分な耐震性を有していることが実験により確認された。
  • その1 基礎的性質
    安藤 信賢, 中村 聡志, 狗飼 正敏, 三谷 一房, 長尾 覚博
    p. 42
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年の地球環境問題の顕在化により,環境負荷を低減する建設技術開発への取り組みが強く求められ,エコプロダクトの基本構成要素であるエコマテリアル活用の重要性がますます増大している。このような背景から,本開発は,廃ガラスを原料とした発泡ガラスビーズを構成材料とする環境配慮型プレキャストコンクリート(PC)カーテンォールをエコプロダクトの1つとして供するために行うものである。本報告では,まず環境配慮型PCカーテンウォールの概要を述べ,次いでその構成材料に関する各種実験を行い基礎的性質を把握し,環境配慮型PCカーテンォールに関する基礎資料を得た。
  • 国分 達彦, 小山 明男, 菊池 雅史, 金丸 和樹, 小宮 岳枝
    p. 43
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    主にPCaカーテンウォールとして用いられる超軽量コンクリートは,靭性能に劣るものの軽量性および断熱性に優れており,供用期間のエネルギー削減が期待できる材料である。また,地球環境,資源問題への対策として建物の長寿命化,つまり建築材料の耐久性確保の要望は大きい。本研究では,靭性能の改善を目的にビニロン繊維を混入した超軽量コンクリートの耐久性について,電食実験,塩分浸透試験,凍結融解試験等を行った。その結果,繊維混入が超軽量コンクリートの耐久性に及ぼす影響は小さいことがわかった。また,ひびわれ発生後においては,繊維の混入によってひびわれ幅の増大が抑制されることを確認した。
  • その2 シーリング材による石材の黄変現象と除去方法
    三浦 勇雄, 板谷 俊郎
    p. 44
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    実建物の外壁·柱に乾式工法で施工された御影石周辺に施工後まもなく黄変現象が発生し、その黄変現象の原因の解明と除去および対策方法について検討した。その結果、黄変現象は、シーリング材(鉛硬化タイプ)の撹拌不足、プライマーの塗布の不良およびバックアップ材の装填の不十分などによりシーリング材から可塑材が石材に移行し、黄変させたことが明らかになった。また、除去方法としては、特殊キレート剤を使用する湿布工法を採用することによって、ほぼ原状に復帰することができた。なお、除去後、適正なシーリング材(ポリサルファイド系)で施工(プライマーの塗布、バックアップ材の一定な装填)をした後は、黄変現象は認められない。
  • その2 ポリイソブチレン系シーリング材による目地周辺汚れの低減
    郷田 勇治, 宇野 清文, 松井 憲夫
    p. 45
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    建築外装の雨筋汚れの防止を目的として低汚染塗装仕上げが採用されているが、シリコーン目地周辺での汚れ防止効果が小さく、シール材質やディティール面での対応が必要となっている。今回、シリコーン系シーリング材に替わるものとして上市されたポリイソブチレン系シーリング材を用い、低汚染塗装仕上げとの組み合わせによる汚染暴露試験を実施した。その結果、シール目地周辺において汚れの発生が見られず、汚染低減効果が確認された。このポリイソブチレン系シーリング材の物性はシリコーン系シーリング材と同等であり、低汚染塗装仕上げとの組み合わせによる建築外装の汚れ低減材料として期待される。
  • その2 バリアプライマーの性能と評価
    渡辺 秀輝, 内藤 文明, 高橋 英之, 猪砂 幸弘
    p. 46
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
  • その3 シーリング汚染面の改修方法について
    内藤 文明, 渡辺 秀輝, 猪砂 幸弘, 高橋 英之, 伊場 岳司, 北瀬 正義
    p. 47
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    一般的に汚染事故が発生している場合の対策は、今のところシーリング材を撤去した後、塗り重ね適合性の良いシーリング材·塗材を使用するのが一般的であるが、次の問題点が指摘される。
    (1)既存のシーリング材を撤去する際、同時に仕上げ塗材をも撤去するので、特にテクスチャーペイントの場合、補修跡が目立ちやすい。
    (2)コスト負担が大きい
    (3)時間(工期)がかかる。
    (4)産業廃棄物を排出する。(環境負荷が大きい)
    仕上げ塗材を塗り重ねる場合、次の問題が指摘される。
    (1)既存シーリング材と、仕上げ塗材の適合性が悪い場合、直接仕上げ塗材を塗り重ねると再び汚染する可能性がある。
    (2)汚染した箇所に対して、直接バリアプライマーを塗付した場合、どれくらい効果があるのか不明確である。
    などが考えられる。
    しかし、既存のシーリング材を撤去せずに仕上げ塗材を使用することにより、再汚染が防止できるならば、現状の問題点を解決できるのではないか、という点に着目した。
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