抄録
シックハウス症候群に代表される建築物の室内空気汚染対策として、揮発性有機化合物(VOC)をほとんど発生させないウレタン系木質床用弾性接着剤を開発した。この接着剤は、床用として必要な作業性、接着性、床鳴り防止性、耐熱性などの諸性能を満足する一方、徹底した原料開発により、揮発性有機化合物の放散を極力抑えた。小型チャンバー法(ADPAC)による測定で、厚生労働省指定物質(13物資)はすべて「検出限界以下」、またTVOC量は、同省の暫定目標値(400μg/m3)を下回った。床以外の室内用接着剤としても展開が期待される。