抄録
建材開発の歴史的変遷は、人々のニーズや社会経済環境などの時代背景の変化により大きな影響を受ける。本論は20世紀後半(戦後55年間)の我が国の建築生産の進歩発展と同調する建材開発の変遷傾向を概括することを目的に、戦後を4つの時代区分に分けて代表的な建材開発や技術開発の記録をとりまとめた。第I期は 1945~1959で、この期間の大きな傾向としては廃墟から再生基盤の確立の時代と呼ぶことができる。第II期は 1960~1972で、最もエネルギッシュな開発がなされた時期であり、発展・飛躍の時代と呼ぶ。第III期は 1973~1985で、変動から成熟の時代、また第IV期は 1986~2000で、バブル崩壊から環境共生の時代と呼ぶことができる。本論ではそれらの時代背景と建材開発の主な傾向を分析し、建材開発の歴史的位置づけと今後の動向を考察したものである。