抄録
木造併用レンガ造の聖ザビエル天主堂は、明治23年5月、京都市中京区河原町三條の地に竣工し昭和48年の博物館明治村への移設までの約83年間、人々に親しまれた教会堂として利用されていた。現在は博物館明治村に展示公開され、学術的に研究されると共にここを訪れる人々に明治の薫を伝える重要な役割を担っている。この屋根にはケヤキ材で製作された十字架が載っていたが、長年の風雪で表面が劣化し、脆弱な部分も発生していた。今回この十字架を長期間の室内展示公開に耐えうるよう、脆弱部の強化と腐朽防止を目的としてポリシロキサン系含侵強化・腐朽防止剤で保存処理を行った。その結果を打ち込んだ釘の引張試験で評価したが、脆弱部は健全部と同程度まで強度を回復していた。