抄録
厳島神社の配置計画は、世界的にも独自性の高い設計として認められ世界遺産に登録された。本研究では、厳島神社の両部鳥居に着目し、海上という最悪の建築条件のなかでなぜ、これほど健全に維持されて現在に至ったのかを建築的に検証を行った。鳥居の構造は、両部鳥居という耐震性の高いものであり、海上にあっても浮き上がらない設計が行われている。さらに、鳥居の素材は水に強い楠が採用され、伝統的な表面保護材である丹塗りが施された。昭和の大修理における鳥居の接合部の補修は、継ぎ木という日本の独特の仕口の技術を駆使している。