抄録
本報は、建築材料の輸送距離の増加により、どの程度環境負荷が大きくなるかを明らかにすることを目的に、代表的な仕上材を対象として、国内の工場の分布を把握するとともに、輸送に関わる環境負荷の検討を行った結果を報告するものである。結果として、仕上材の工場は、一般に大都市周辺に多い。一般に製造エネルギーの方が輸送エネルギーより圧倒的に大きいが、輸送距離が大きくなると、輸送エネルギーの環境負荷への影響は無視できなくなる。輸入建材は、一般に製造エネルギーより輸送エネルギーの方が大きくなる。などの知見が得られると共に、輸送に関わる環境負荷を簡便に評価できる「建材マイレージ」の提案を行い、その活用の可能性について示した。