日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2008年大会学術講演会研究発表論文集
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2008年大会学術講演会研究発表論文集
環境1
  • 熊野 康子, 石川 一雄
    p. 01
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    水性外壁塗料についての社内での実態調査のアンケートを実施した。その結果、現在ほとんどが水性化塗料を採用していることが分かった。特に都心部では、臭気が低い以外にも、汚れがつきづらい、弾性であるなどの多機能の塗料が採用されている傾向が見られた。さらに、使用頻度の高い防水形外装薄塗材について簡易式試験を実施したところ、塗料によりふくれに差があることが確認された。
  • 市原 英樹, 市原 真希, 藤村 淳一, 小林 光, 樋渡 潔
    p. 02
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    温度及び湿度がホルムアルデヒドの長期発散傾向に及ぼす影響を把握するために,合板試験体とホルムアルデヒドを含浸させた珪酸カルシウム板試験体用意した.実験は,15℃,28℃,35℃それぞれの温度環境下かつ,相対湿度50%,10%の2水準において,2ヶ月~9ヶ月の長期にわたる発散傾向を把握した.珪酸カルシウム板にホルムアルデヒドを含浸させた試験体を作成し実験を行なった結果,実験開始後10~20日程度で温度別の減衰曲線がクロスする傾向を把握した.相対湿度が50%の場合は,35℃と28℃の間に温度依存性が存在するが,相対湿度10%の場合には温度依存性が見受けられなかった.
  • 宮本 直之, 長谷川 拓哉, 千歩 修
    p. 03
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    本報は、建築材料の輸送距離の増加により、どの程度環境負荷が大きくなるかを明らかにすることを目的に、代表的な仕上材を対象として、国内の工場の分布を把握するとともに、輸送に関わる環境負荷の検討を行った結果を報告するものである。結果として、仕上材の工場は、一般に大都市周辺に多い。一般に製造エネルギーの方が輸送エネルギーより圧倒的に大きいが、輸送距離が大きくなると、輸送エネルギーの環境負荷への影響は無視できなくなる。輸入建材は、一般に製造エネルギーより輸送エネルギーの方が大きくなる。などの知見が得られると共に、輸送に関わる環境負荷を簡便に評価できる「建材マイレージ」の提案を行い、その活用の可能性について示した。
  • 本橋 健司, 池田 武史, 古澤 友介, 村江 行忠, 林 昭人
    p. 04
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    壁装材料の変色原因の一つとして、下地材料等から発生する化学物質の作用が考えられる。本研究では、各種下地材料等と壁装材料を同一デシケータ内に設置し、デシケータ内の温湿度を変化させ、壁装材料の変色程度を評価した。また、各種下地材料等から発生する化学物質を小形チャンバー法により捕集・同定し、それらの化学物質が壁装材料の変色に与える影響を別途実施したデシケータ実験で確認した。研究の結果、壁装材料の変色に関与する複数の化学物質を確認できた。
環境2
  • 林 昭人, 本橋 健司
    p. 05
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    アスベスト含有成形板の表面が経年劣化により劣化する場合には、アスベスト繊維が飛散することが考えられる。そのため、劣化したアスベスト含有成形板を対象として塗装によりアスベスト繊維の飛散を防止する技術が開発されつつある。この塗装システムを検討する上で、重要な工程の一つが下地調整である。本研究では、塗装のための下地調整を実施する場合に、アスベスト含有成形板の表面劣化度を判定するための方法について検討を行った。併せて、石綿スレート大波板を使用している倉庫屋根を対象として無処理を含む3種類の下地調整を行い、工程毎のアスベスト繊維濃度を測定した。
  • 森 有光, 川端 祥治郎, 山本 功通, 小川 綾一, 塚田 修治, 川島 敏雄, 津田 修, 堀川 浩良
    p. 06
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    塗装工事の現場では多くの産業廃棄物が排出される。環境対応の観点で産業廃棄物の適正な処理と削減の方法を検討した。対象は今回は塗料ではなくて、使用後に廃棄物とされる、副資材に注目した。特に副資材の中で汎用に使用されるローラーと刷毛に的を絞り、これらの廃棄物の削減が可能であるか、実際の使用状況を調査した。同時にリサイクルを重視した廃棄物削減の方法を提案する。
  • 西浦 建貴, 内藤 文明, 川端 祥治郎, 井上 昇, 山崎 久康, 川島 敏雄, 津田 修
    p. 07
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、環境汚染の問題や作業環境上の問題から塗料の水系化が進んでいる。しかし塗料使用者側は水系塗料が増えることで、使用後の塗装機器等を水で洗浄する頻度が多くなる。これに伴って多量の水を使用することになり、洗浄水の処理が課題になった。廃水処理には多額の経費が必要となるが簡易に洗浄水を処理する方法として凝固剤による処理方法が広まり実用化されつつある。今回、凝固剤を使用して塗料洗浄後の廃水処理の作業を行ない、その効果を検証した。調査研究の結果を報告する。
タイル・レンガ
  • 山本 正人, 松原 道彦, 河合 栄作, 岡本 肇, 高橋 拡
    p. 08
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、高強度コンクリートへの適切なタイル後張り仕様を策定することを目的とし、まず現場施工を想定した実大試験体を用いてタイルの接着性を評価した。次に、接着界面のひずみに対するせん断抵抗性を評価するために、ひずみ追従性試験を実施し、下地コンクリートの表面粗さとタイル接着耐力の関係について考察を行った。その結果、セメントモルタルによる高強度コンクリートへのタイル張りは付着性低下の危険性があるが、下地処理や吸水調整等の対策により改善が可能であること、中心線平均粗さRaと限界コンクリートひずみεbpには正の相関が認められ、下地の目荒し程度が大きいほどタイル接着耐力の向上効果が高いことを確認した。
  • 小川 晴果, 三谷 一房, 堀 長生, 福田 一夫
    p. 09
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、タイル張り仕上げに対する施主側の要求はますます、厳しくなってきており、タイルの剥落は勿論のこと、ひび割れや浮きなどの不具合に対しても許容されず、瑕疵と見做されることが少なくない。このような厳しい要求品質に対して、コンクリート下地のひび割れに対しても追従性を有するタイル剥落防止工法の開発を目的として、地震時の変形を想定した対角線圧縮せん断加力実験を行い、コンクリート下地のせん断変形ひび割れに対する各種タイル張り仕様の追従性を検討した。その結果、 弾性を有するポリマーセメントモルタルを用いた立体網目不織布張り下地にタイルを張付けた仕様では、大地震時を想定したコンクリート下地のせん断変形ひびわれに対しても追従性を有することが確認された。
  • 松本 幸二, 古川 雅一, 柳原 正伸, 牛丸 正照, 染谷 宏
    p. 10
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    タイル張り外壁においてはタイルやモルタルの剥離・剥落という事例が発生し大きな社会問題となっている。そのためタイル等の剥落を防止することを目的として、アンカーピンニングやエポキシ樹脂注入技術が使用されている。しかし、それらの技術のみでは目地部分の劣化やクラック等による漏水や躯体コンクリ-トの中性化による鉄筋の爆裂を防ぐことは難しい。そこでタイル張り外壁の防水を目的として透明な樹脂皮膜の併用を検討した。検証の結果、樹脂皮膜の併用はタイル張り外壁に防水性を付与させることが可能であり、また剥落防止にも効果があると判断できる。本工法は繊維ネットや繊維混入樹脂皮膜を使用する剥落防止工法とは異なり、透明性の高い樹脂皮膜を使用するためタイルの意匠性変化を極限まで抑えることが可能であり、安全性と意匠性の両方に配慮した工法であると考える。
  • 永井 香織, 杉江 夏呼, 中村 洋祐, 野口 憲一
    p. 11
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    大正14年に横浜に建設された現存する旧横浜生糸検査所附属倉庫は、遠藤於菟が設計した貴重な建物の一つである。本調査は、記録保存を目的に、建物に使用された材料調査を行った一環のものである。本報告は、本建物の主要材料の一つである化粧煉瓦について、煉瓦の施工方法の確認、煉瓦の吸水率、曲げ強度、圧縮強度、および目地を含む圧縮強度と目地の付着力について、物性調査をした。その結果、対象の煉瓦は、下地との接着にばらつきがあり付着力も低い値であったが、煉瓦の物性は、同時期に製造されたものとほぼ同程度であった。
性能評価1
機能性材料
  • 長谷川 完, 岡本 肇
    p. 17
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    断熱材で汎用されている有機系発泡断熱材は現場発泡とボードに分類され、それらの断熱性と燃焼性の比較を行った。現場発泡断熱材は代替フロンと炭酸ガスを発泡剤とした製品を、ボード状断熱材は炭化水素ガスを発泡剤としたポリスチレン系とポリウレタン系の製品について比較を行った。断熱性では炭酸ガスを使用した現場発泡が他の製品より劣っていること、燃焼性では発泡剤の炭化水素ガスを使用したボードが燃焼しやすいことが把握され、フロンが断熱性と燃焼性の両方に秀でた発泡剤であることを再確認した。ボードではアルミ箔を表面材として使用した場合に着火しにくくなる傾向があることが認められ、難燃等級を取得した材料は展炎しにくくなる効果が把握された。
  • 岡 徹, 大久保 直樹, 森 正仁, 中村 武彦, 杉本 賢司
    p. 18
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    建築用ウレタン系発泡断熱材には発泡剤としてフロン類ガスが使用されてきた。近年ではモントリオール議定書によりオゾン層を破壊するため1996年から使用禁止となったCFC系フロンに替わり、HCFC系フロンやHFC系フロンが使用されている。しかしその何れも地球温暖化係数(GWP)はCO2の数百倍と地球温暖化の要因物質として懸念されている。弊社は自然界に存在するアルゴンガス(オゾン層破壊係数『ゼロ』、地球温暖化係数『ゼロ』)と、弊社独自の機械発泡技術を組み合わせ、アルゴンガス封入ウレタンフォーム断熱材を開発した。本報告ではこの弊社独自のガス封入ウレタンフォーム断熱材製造技術(機械発泡技術)、ガス封入ウレタンフォーム断熱材の熱伝導率、及び今後の課題について報告する。
  • 超軽量・高剛性のトラスコアパネルの活用
    五島 庸, 鈴木 晴夫
    p. 19
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    "情報化社会を迎え、サーバールーム用の二重床には、高強度化、軽量化、放熱能力等の多くの性能が求められているが、本開発は京都大学の野島先生が「折り紙工学」から発想した、トラスコアパネルの活用でそれに応えるものである。トラスコアパネルとはピラミッド(三角錐)形状が千鳥状に配列されたパネルで、面外の曲げと面内のせん断共に剛性が高く(曲げ剛性は一般的な波型鋼板の3~5倍)、その方向性も小さな革新的なパネルであり、ハニカムパネルの代替を含めて活用範囲が広く、軽量化効果の大きな構造材である。
  • その4 施工時の温湿度が帯電防止性能に及ぼす影響
    袴谷 秀幸, 三浦 勇雄, 板谷 俊郎, 戸舘 義二, 原田 悟, 野澤 順
    p. 20
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    半導体製造工場などの生産施設では,様々な静電気障害が報告され,その床材は帯電防止性能が必須となっている。しかし,従来の帯電防止性能の耐摩耗性は低く,帯電防止性能が劣化するケースもみられる。そこで筆者らは,様々な劣化外力に対して,十分な耐久性を持つ帯電防止床材を開発し,促進劣化後も十分な帯電防止性能を有していることを確認した。しかしながら,本開発品に関しては,帯電防止性能の経時変化など不明な点も残されている。ここでは,帯電防止性能の経時変化を確認し,初期養生条件および施工条件が帯電防止性能に及ぼす影響について報告する。
  • 阿部 孝夫, 長谷川 隆一, 杉本 賢司, 中山 博之
    p. 21
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    太陽光発電体の結晶系は18kg/?uになることからリニューアル工事の屋根材には重量が大きすぎ、壁材として垂直にすると発電効率も30%性能が低下し、裏面に空気が流れる様にしないと発電効率が下がる。こうした問題点を解決するために、厚さ1?oのテフロンシートの中に非結晶を組み込んだ太陽光発電シートをつくり、押し出し成形板に設けたスリットに装着した。発電シートは、スリット部分で長さ変化を吸収しシーリング材で固定した。その他、押し出し成形板の表面を遮熱塗料を塗布し、配線は押し出し成形板の孔を利用して装着した。特長は、太陽光発電シートを後施工でも装着ができ、取替え可能で着脱可能な工法としたことに特長がある。
塗料・仕上塗材1
  • その2 促進耐候性試験による耐候性評価結果
    奥田 章子, 堀 長生, 岡本 享, 長岡 亮介
    p. 22
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    ヒ-トアイランド対策技術として、工場等の屋根へ太陽熱高反射率塗料(以下、高反射率塗料)を採用するケ-スが増加している。本研究では、屋根において採用が多い濃色系で、かつ反射効率が高いクロムフリ-の無機系反射顔料を用いた、低汚染型の高耐久性ふっ素樹脂系高反射率塗料の開発を目的とした。既報では、開発中の高反射率塗料の防汚性能が高いため、長期的に熱線反射性能が発揮されることを実験的に示した。本報(その2)では、促進耐候性試験で耐候性を評価した。その結果、開発した高反射率塗料が高耐候性であることを確認した。また、促進耐候性試験後も熱線反射性能が継続して発揮されることを実験的に確認した。
  • その2 モデル試験棟を用いた温度測定
    田村 昌隆, 本橋 健司, 田島 昌樹, 逢坂 太志
    p. 23
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    前報にて、高反射率塗料及び一般塗料を施したモデル試験棟を製作し、屋外における温度推移の測定を行い、一年を通じてのデータを取得したところ、いずれの部位においても高反射率塗料の方が一般塗料よりも低い温度で推移していることがわかり効果が確認できた。しかし夏季における午前中の温度推移について前回までのデータより、午前6時から9時の間、高反射率塗料の温度が高く推移し、理論とは異なり逆転していることが判明した。また、夏季の高反射率塗料と一般塗料の温度差異があまり顕著に見られていない一方、冬季での差異が顕著に見られる結果であった。このことを踏まえて、本稿ではこれらの問題点を改善し再度実験を行った。
  • その3 耐候性試験後の日射反射率について
    田村 昌隆, 本橋 健司, 清水 亮作, 林 昭人, 逢坂 太志
    p. 24
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    前報にて、高反射率塗料の効果及びメカニズムを検討するため、塗料の日射反射率を算出し、各種試験装置による屋外における温度推移を測定したことを報告した。高反射率塗料は、主な用途として建築物の部位で最も劣化が進むといわれる屋根部に塗装されることが多く、その耐候性は遮熱性能の持続性に係わるものと考えられる。そこで本報告では、高反射率塗料の経年における劣化の状況、特に遮熱性能の経年変化についてその測定手法と屋外暴露試験1年後及び促進耐候性試験2000時間後の塗膜調査を行った。
  • 池田 修二, 山崎 達朗, 遠藤 恒平
    p. 25
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    建築物の長期保護や環境問題、特に大気汚染への問題による塗料中のVOC削減への取り組みを背景に、高耐久性塗料である水性ふっ素樹脂塗料が市場の主流になりつつある。昨今、ニーズの多様化に伴い、様々な意匠の塗料がメーカー各社から提案されている。開発品に使用した意匠性を発現する技術は、従来の石材調塗料で使用されていた技術とは異なる新しい技術を採用した。本報告では、意匠性の発現機構や塗膜の耐久性能、耐候性能を中心に施工事例を交えて報告する。
  • その1 水性着色粒子の適用と施工性評価
    鍵 政也, 高野 亮, 杉島 正見, 井上 剛, 石原 麻子, 宮川 理香
    p. 26
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    多彩模様塗料は、日本で50年以上の歴史をもつ塗材で、色の織りなす意匠性が長い間支持されてきたが、従来は水中油滴型の溶剤型が主流で、環境の面から急速に衰退した。本研究では意匠デザインの自由度が高い多彩模様塗料に着目し、より使い勝手が良く、幅広いユーザーニーズに応えられる完全水性タイプの多彩模様塗料について検討してきた。その結果、模様成分であるカプセル化着色粒子の圧縮破壊強度、粒子径および濃度が、塗料の貯蔵性、塗膜性能、仕上り性、施工性に影響することを見出し、内外装に適用可能な意匠性水性塗材を開発することができた。開発品はJIS K 5667の規格を満足し、各種塗装用具適性を有することを確認した。
  • その2 多彩模様デザインソフトの開発とデザイン設計
    石原 麻子, 増田 豊, 宮川 理香, 井上 剛, 鍵 政也, 高野 亮, 杉島 正見
    p. 27
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    多彩模様塗料は、色による多彩な表現が可能にも関わらず、現状はカタログ中からの模様選択を余儀なくされている。より多くのユーザー要望に応えるため、パソコンにて多彩模様塗料の模様デザインができるソフトを開発、実塗装板とパソコン上でのCG画像を比較評価することで、その有効性と再現性を確認した。また、本ソフトによるCGデザイン手法確立のため、5つのデザインイメージ(エレガント、クラシック、ナチュラル、カジュアル、モダン)を選定、各々のイメージにてCGデザインし、それらのイメージ評価を複数の評価者で検証した。その結果、本デザイン手法の妥当性を確認することができたため報告する。
塗料・仕上塗材2
  • 杉田 敬太郎, 池尾 陽作, 柳橋 邦生, 長谷川 完
    p. 28
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、シックハウス対策として光触媒が利用されつつあり、特に可視光下で有機物を分解する可視光応答型光触媒が注目されている。本研究では、塗料原料や配合等を変化させて作製した可視光応答型光触媒含有塗料に関して、アセトアルデヒドガスの分解性能を評価し、種々の要因が分解性能に及ぼす影響について調査した。バインダーの影響については、無機系バインダーを用いた塗料でアセトアルデヒドガスが短時間で分解され、有機系バインダーの混合量が増加するほど分解性能が低下する傾向を示した。光触媒含有率については、含有率が高いほどアセトアルデヒド減少速度が高くなる傾向があった。塗布量については、今回の塗布量範囲ではアセトアルデヒド分解性能への影響はみられなかった。また、照度が高いほどアセトアルデヒド減少速度が高くなる傾向があった。塗料化の方法によっては、塗料化による光触媒の性能低下が小さく、アセトアルデヒドの分解効果が高い塗料が得られた。
  • 中本 一朗, 吉田 究
    p. 29
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    建築鋼構造物塗装の下地調整においては十分なさび落としができない場合が多い。そのため、残存するさび面に塗装しても早期に発錆しない防食下地を形成でき、かつ、環境負荷低減に寄与する下塗り塗料が求められている。本報は、さび面に適用する開発塗料の、さびへの付着性・浸透性について試験を実施した。その結果、従来品より良好な性能が認められ、さらにこの開発塗料を含む工程短縮塗装仕様を検討した結果、さび面への適用が有効であると判断されたので報告する。
  • 篠田 明宏, 大垣 敦, 岡部 将大, 宮田 敦士
    p. 30
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    鉄扉や階段手すり等の金属や木部への塗装は、従来から合成樹脂調合ペイントなどの溶剤型塗料が幅広く使用されてきた。だが、近年の環境問題への意識の高まりと、建築基準法改正により、塗料の水性化が、室内への塗装はもとより、金属部への塗装に対しても急速に進んでいる。環境への負荷が低減される一方で、新たな問題として人の皮脂による塗膜軟化トラブルも増えてきた。従来の合成樹脂調合ペイントや2液型ウレタン樹脂塗料でも塗膜軟化は発生するが、水性塗料ではそれが塗装後早い段階で発生しやすいことが問題となっている。本報では、この皮脂による塗膜軟化トラブルを大きく改善させる水性塗料を新たに開発したので紹介する。
  • 小川 哲夫, 杉島 正見, 塚平 博之
    p. 31
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    種々の建築用外装塗膜の屋外曝露を実施し、塗膜物性と屋外曝露汚染性との関係を調査してきた。塗膜表面に親水性発現機能を持たない塗膜は表面硬度が高いほど、破断伸び率が小さいほど低汚染性を示した。一方、親水性発現機能を有する塗膜の汚染性は、これらの特性とはほとんど相関性はなく、塗膜表面の水接触角にのみ依存することがわかった。今回、屋外曝露を継続することで得られた知見、及び屋外曝露開始時期による汚染性の差異など新たな知見についても報告する。
  • 久保田 浩, 高橋 愛枝, 大垣 敦, 加茂 比呂毅
    p. 32
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    コンクリート打ち放しの意匠性を生かすためのクリヤ塗装仕様がある。現状は、溶剤系での塗装仕様が一般的だが、環境対応により、水系での仕上げが求められている。水系仕様の方が、意匠性としてはより高度なものが出来るが、中性化抑制効果に問題がある。そこで、中性化抑制効果に優れた塗装仕様を開発するため、塗料、配合、塗り回数等について検討した。その結果、改良した中塗り塗料の塗り回数を2回塗りとすることにより、中性化抑制効果の高い水性ふっ素樹脂クリヤ塗装仕様を開発することができた。
性能評価2
調査・計画
  • 土屋 潤
    p. 39
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    材料に関して、設計者がユーザーの評価傾向を知ることは重要であり、多くの研究がなされている。材料に要求される性能は耐久性等の物理特性に依存するものが主とされているが、今後はその様な基本性能を保ちながら、ユーザーにとっての様々な価値を考慮することが建築物の社会的な陳腐化を防ぎ環境負荷を低減する一助となると考えられる。本研究では、各種材料の感性評価を行い、その情報を材料設計や選定に利用することを最終目的とし、各種材料の視覚的な質感評価に関して検討し、その傾向を示した。本研究の範囲で、明暗感についてb*値,L*値(明るさ)との相関が高く,L*値が大きいほど,b*値は,+方向とするとより明るさ感が高くなり、深み感についてはb*値,L*値(明るさ)と負の相関が高く,L*(明るさ)を小さく,b*を-方向とするとその評価が高くなることが明らかとなった。
  • 小関 淳平, 千歩 修, 長谷川 拓哉
    p. 40
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    建築物の長寿命化を図る上で外観の好ましさを維持、向上させることが望まれ、このためには、外装材の経年による変化・汚れを考慮した設計をすることが必要となるが、外装材の経年変化が汚れにどのような影響をおよぼすのか明らかではないのが現状である。本報は、札幌市中心部における外装材の仕様がほぼ同じ小学校を対象として、外壁の汚れおよび劣化状況について調査し、外装材の経年変化が汚れにおよぼす影響について検討したものである。結果として、最終改修年度が古い方が、外壁の汚染部と一般部の色差が大きくなる、割れ・剥れなどの劣化を伴うと汚染部と一般部の色差は大きくなる、などの知見が得られた。
  • 浦 憲親, 水野 一郎
    p. 41
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    本報告はラオス国で教育施設建設にあたり現地説明会のほかに、敷地、材料・構法および施工調査から竣工までの事例である。教育施設は平成18年5月(2006)にラオス国教育省へ引き渡されている。工事には、工学設計?Vの一つとして学生参加を試みている。
  • 星名 彩, 中村 成春, 李 榮蘭, グエン チャン ゴック アン, 一山 くるみ
    p. 42
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    ユネスコ世界遺産などの文化財は,文化価値を伝えるために,現状を維持される。一方,文化財の周辺領域は,文化価値を伝えるために,観光開発される。そして,文化財は,維持と開発により,矛盾している。本研究は,発展途上国のベトナムを事例に,維持と開発に対する行動を検討した。調査は,ベトナムのフエ,ホイアン,ミーソン,ハロン湾の4地点である。調査内容は,ユネスコ世界遺産の管理事務所に勤務する現地技術者に対して,ヒアリングと視察を実施した。その結果,文化財と生活環境の位置状況に基づいて,4つの類型に整理できた。
  • 菅原 達也, 杉本 賢司
    p. 43
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    砂漠の中に巨大建築をつぎつぎと創造してゆく二つの都市は、ここに行かないと出会えないというコンセプトのもとに建物を造り込んでいる。砂漠という環境条件のなかで、膨大なエネルギーを消費し、建築の限界に挑む二つの都市がなぜ成立し、今後生き残れるかの命運は人類の未来を秘めている。ラスベガスのフェイク建築は大きさと夢を追いかけているのに対し、ドバイの建築は人工運河と奇抜な建築で世界の人達を集めている。省エネルギー時代において二つの建築を比較することで100年後に生き残れる要素がどれほどあるのか、高額な投資の連続性のなかで造り込んでゆく建築計画と建物の耐久性、世界一の規模の超々高層ビルの技術的な限界について検討した内容を報告する。
  • 山田 誠司
    p. 44
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    前報では、現代に於ける社寺建築の様々な工法について報告した。本報は、まずその中でRC造の場合に於ける現場での設計、施工上の留意点について報告する。
  • 幸尾 辰馬, 志賀 秀活, 杉本 賢司, 尼子 裕美
    p. 45
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    日本は地球表面のわずか1/1000と狭いが、地震の発生量は世界の10%を占める地震大国である。今後、人口密度の高い大都市の防災リスク管理耐震化は重要であり、デマ情報、避難方向、位置確認、余震情報、火災情報なども正確に把握しなければならない。都心部では落下物の少なく構造のしっかりした地下空間の方が安全とも言われ、北欧のようにシェルター機能も求められている。そこで、自治体との打ち合わせを踏まえ、携帯電話を利用した危機管理方法を検討した。建物の外壁面や電柱などに設けたカラーコードを撮影し、そこから3秒でサーバーに接続し、最新情報を逐次受発信が可能としたものである。応急危険度判定士の判定作業、消防隊との災害情報などにも応用が可能である。
エコマテリアル・リサイクル
  • 福島 敏夫
    p. 46
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    持続可能な建築を支える建築材料を“人と環境に優しいエコマテリアル”に転換(エコマテリアル化)するために、資源面からの分類を行い、再生産資源の利用率を上げるとともに、非再生産資源の3R(リデユース、リユーズ、リサイクル)の徹底を図る必要性があることを示した。また、6つの性能・環境評価項目と、8つのライフステージを組み合わせた6行8列のエコライフサイクルマトリックスに基づいて、エコマテリアル型建材の分類を行った。また、ピッチ系炭素短繊維強化セメント系複合材料(CFFRC)を例として、6つの性能・環境評価項目の5段階指数に基づくレーダーチャートによる視覚化による環境調和性の評価を行い、実りある成果が得られた。
  • 加藤 雄介, 渡部 憲
    p. 47
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、廃瓦の有効利用技術を検討するため、コンクリート2次製品として内・外装用パネルをターゲットとし、廃瓦シャモットを細骨材として使用した高靱性セメント複合材料(以下、WRTDFRCC)の開発を試みた。さらに、WRTDFRCCのパネルを製作し、試験施工も行った。その結果、廃瓦シャモットを使用した場合でも高靱性セメント複合材料が実現可能であること、フレッシュ時の流動性は十分に確保されておりパネルも容易に製作可能であること、さらに、パネルの色彩は、廃瓦シャモット素地色を反映した薄紅色と薄灰色の2種類となり、力学特性のみならず、色彩上からもコンクリート2次製品としての適用性が高いこと等を明らかにした。
  • 山本 昌彦, 杉本 賢司
    p. 48
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
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    繊維化した竹とセメントを原料にしたエコ建築材料を開発し、1992年からインドネシアで製造してきた。竹を補強繊維として建築材料に用いる利点は、靱性が向上するとともに、竹は伐採しても再生能力が高いため、東南アジアの自然環境を破壊することがなく、かつ二酸化炭素削減効果も削ぐことがないことにある。本報告では、日本の竹より肉厚で、かつセメント硬化阻害成分を多く含有するインドネシア産竹を使用する際における製造方法を紹介するとともに、インドネシアで倉庫の外装材として無塗装状態で施工され、15年が経過した竹繊維補強セメント板の物性試験結果から長期耐久性を評価した。
  • 河辺 伸二, 小西 正夫, 高桑 芳樹, 永田 謙二, 簗瀬 健太
    p. 49
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    会議録・要旨集 フリー
    現在日本の壁紙総出荷量の約95%は塩化ビニルの壁紙(以下塩ビ壁紙)であり、耐久性のある塩ビ壁紙は使用済み製品の排出量も少ないため、これまでリサイクルはほとんど行われてこなかった。しかし今後はリフォームや解体工事の増加に伴って、塩ビ壁紙の廃棄量も増大すると予測される。また、塩ビは加熱すると190℃程度で塩化水素を発生してダイオキシンを形成する。さらに塩ビ壁紙や塩ビ床材は紙や炭酸カルシウムなど他の物質との複合・多層製品であるため、リサイクルすることがより困難である。そこで本研究では廃棄された塩ビ壁紙や塩ビ床材の素材を分別せずに、リサイクルボードとして再利用することを検討する。
コンクリート・モルタル
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