抄録
ラスモルタル下地への、タイル張り仕上げに対する需要は高く、セメントモルタルまたは弾性接着剤を用いた手張り工法で施工されているが、RC造躯体と比較して、面内だけでなく、面外にも変形するラスモルタル下地に対するタイル張りの安全性を危惧する声も多い。一方、ラスモルタルとして、砂モルタルに変わり既調合軽量セメントモルタルが普及しているが、RC造躯体に対する張付け工法をそのまま流用した場合、コンクリートや砂モルタルと比べ、軽量モルタルの強度が低いため、タイル張り下地には適さないとされている。本報告では、3種類のタイル張付け材料について面内せん断試験を行い、ステープルの引き抜きに伴うモルタル層の脱落の危険性と、タイルの剥離・剥落状況を実験により確認した。