日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
2009年大会学術講演会研究発表論文集
選択された号の論文の54件中1~50を表示しています
  • 大島 明, 古田 裕三
    p. 001
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    木材・プラスチック再生複合材は廃棄物を原料として製造される再生材料であり、その組成から微生物によって侵される可能性がある。しかし、現在微生物に対して検証されたデータがない。そこで本研究ではかび及び木材腐朽菌を代表的な木材・プラスチック再生複合材に散布・培養して、材料の劣化の程度を調べた。その結果これらの微生物は材料表面には発生するが、内部の材料劣化は起きないことが分かった。
  • 林 昭人, 本橋 健司, 古賀 純子
    p. 002
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    アスベスト含有成形板は、表面が経年劣化することによりアスベスト繊維が飛散する可能性がある。現在、劣化したアスベスト含有成形板を対象とした塗装による飛散防止技術が開発されつつある。本研究では、劣化度の異なるアスベスト含有成形板に対して様々な下地調整を行った際に飛散した繊維状粒子濃度を測定することにより、劣化度と下地調整方法がアスベスト繊維の飛散に対する影響を検討した。
  • 本橋 健司, 池田 武史, 古澤 友介, 村江 行忠, 林 昭人
    p. 003
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    壁紙と施工資材についてISM壁紙・ISM推奨施工資材と一般品それぞれについて、また、それらを組合わせたモデル試験体について、フラスコ法、小形チャンバー法および大形チャンバー法による測定を行い、化学物質放散挙動を比較した。その結果、ISM壁紙・ISM推奨施工資材と一般品とではVOC放散速度に顕著な差が認められた。
  • 本橋 健司, 古賀 純子, 島田 啓三, 大越 慶二
    p. 004
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本調査においては、保温材、断熱材、耐火被覆材、成形板、吹付けアスベスト、吹付けロックウール、吹付けバーミキュライト、吹付けパーライトを使用した建築物を対象として繊維数濃度の調査を行った。 その結果、調査対象とした全てのアスベスト含有建材について、それが存在する室内において、アスベスト繊維数濃度は全て定量下限値以下となり有意なアスベストの飛散は確認されなかった。
  • 深尾 宙彦, 北垣 亮馬, 長井 宏憲, 野口 貴文
    p. 005
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    著者らは、低環境負荷型建材の開発を目的として微粒粉体の圧密成形および炭酸化養生による緻密化を利用した非焼成のタイル型仕上材の試作を行った。この技術による炭酸カルシウム成形体の作製および材料研究が既に在永らによって行われており、本研究では、炭酸カルシウム成形体の性能向上と、コンクリート廃棄物のリサイクル時に発生する副産微粒粉を用いたリサイクル建材を開発することを目的として試験体の作製水準を設定し、材料の試作及び簡易的に性能評価を実施した。その結果、現在有効なリサイクル方法が待たれている副産微粒粉を主たる原料として、シンプルで省エネルギーなプロセスによってタイル型仕上材を製造できる可能性を示した。
  • 宮木 章吉, 川端 祥治郎, 市坪 孝志, 内藤 文明, 西浦 建貴, 小川 綾一, 渡邉 廣之, 酒井 敏秀, 森 有光, 川島 敏雄, ...
    p. 006
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、環境対応形の塗料として遮熱塗料が注目されている。(社)日本塗装工業会 技術委員会では塗装業者の視点で各塗料メーカーの路面用遮熱塗料を同じ条件で塗装して、遮熱塗料の遮熱効果を比較確認した。入手した各メーカーの製品は公共施設の駐車場の路面に塗装した。塗装後、塗装面と非塗装面の温度計測を行い、その遮熱効果を確認した。今回その調査研究結果を報告する。
  • 市坪 孝志, 川端 祥治郎, 宮木 章吉, 内藤 文明, 西浦 建貴, 小川 綾一, 渡邉 廣之, 酒井 敏秀, 森 有光, 川島 敏雄, ...
    p. 007
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、環境対応形の塗料として遮熱塗料が注目されている。(社)日本塗装工業会 技術委員会では塗装業者の視点で各塗料メーカーの屋根用遮熱塗料を同じ条件で塗装して、遮熱塗料の遮熱効果を比較確認した。入手した各メーカーの製品は試験体となる鉄製のボックスに塗装し、塗装面と非塗装面の温度計測を行い、その遮熱効果を確認した。今回その調査研究結果を報告する。
  • その4 日射反射率およびボックス測定装置を用いた温度測定実験
    田村 昌隆, 本橋 健司, 三浦 正継, 逢坂 太志
    p. 008
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    前報(その1)にて、高反射率塗料の効果及びメカニズムを検討するため、塗料の日射反射率を算出し、各種試験装置による屋外における温度推移を測定したことを報告した。本実験では、前報に引続き独立行政法人建築研究所ばくろ試験場に全てのボックス測定装置を設置し、1年間のデータを取得した。さらに色相を追加し、測定温度と日射反射率の相関性を調査した。
  • その5 耐候性試験後の日射反射率について
    田村 昌隆, 本橋 健司, 清水 亮作, 三浦 正継, 逢坂 太志
    p. 009
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    前報(その4)にて、測定温度と日射反射率の相関を検討するため、塗料の日射反射率を算出し、ボックス測定装置による屋外における温度推移を測定したことを報告した。高反射率塗料は、主な用途として建築物の部位で最も劣化が進むといわれる屋根部に塗装されることが多く、その耐候性は遮熱性能の持続性に係わるものと考えられる。本報告では、前報(その3)に引続き高反射率塗料の経年における劣化の状況、特に遮熱性能の経年変化について屋外暴露試験2年後及び促進耐候性試験3000時間後の塗膜調査を行った。
  • その3 集合住宅屋上での施工結果と省エネ効果
    奥田 章子, 堀 長生, 曽根 真理, 下田 潤一, 岡本 享, 長岡 亮介
    p. 010
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    大阪市のRC造集合住宅の屋上に開発した環境配慮型太陽熱高反射率塗料を改修施工した。塗膜性能の経時測定及び施工前後における屋上表面温度、屋根裏温度の測定、電力使用量を計測した。その結果、以下の点が明らかとなった。1.施工後9ヵ月においても、色差や明度、光沢度の低下は認められず、良好な耐久性を維持していた。2.防汚性に優れるため、施工後の反射率の低下は認められず、塗装直後の高反射率性能を維持していた。3.屋上表面温度の上昇抑制効果が認められ、測定対象住戸における夏期の電気代を37~99円/日削減でき、省エネルギ-効果を確認した。
  • その1 傾斜羽根回転式粘度計によるセメントモルタルのフレッシュ性状評価
    山崎 尚志, 橘高 義典, 三田 紀行
    p. 012
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本報は、左官材料のワーカビリティーを評価するために試作した傾斜羽根回転式粘度計の基礎的特長を把握し、実際の左官作業時の作業性との関係を検討するための基礎データを得ることを目的とした実験の結果について報告するものである。著者らは、高吸水性樹脂を水に溶解させたビンガム流体を用いて、傾斜羽根回転式粘度計の適切な測定条件などの検討を既に行ってきた。本報での実験では、水セメント比および砂セメント比を変化させたセメントモルタルを対象とし実験した。実験の結果、傾斜羽根回転式粘度計により測定される粘性指数および降伏指数により、調合要因がセメントモルタルの流動特性に及ぼす影響を明確に捉えることが確認できた。また、粘性指数および降伏指数と、フロー値の関係についても明らかとした。
  • 塩出 有三, 清家 剛, 小山 明男, 田村 雅紀, 鷹野 宏輝, 田口 尚, 近藤 伸美
    p. 013
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、建築廃棄物の適正処理は重要な課題となっており、それはALCパネルについても例外ではない。本研究では、今後の環境問題に対応するために、ALCパネルの物質循環を把握する必要があると考え、ALCパネルのマテリアルフローを作成することを目的とした。そのためには、新築現場からのALC端材排出量の実態と、個別の現場でのALC端材発生メカニズムを把握する必要があるため、前者については、広域認定制度に基づくALC端材の回収実績の分析と、後者については、施工現場8件において、施工図を用いた詳細調査を行った。その結果、新築現場におけるALC端材発生の要因や発生比率などを把握することが出来た。これらより、マテリアルフロー作成の課題であったALC端材発生量の推計用比率を決めることができ、実態を踏まえたマテリアルフローを完成することができた。
  • 朝倉 寅雄, 千歩 修, 長谷川 拓哉
    p. 014
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    寒冷地における外装材は,実環境下の影響による劣化に対応した耐凍害性の評価方法が求められている。当研究室では,外装材の吸水性状と耐凍害性の関係を検討し,材料の吸水性状から耐凍害性を評価できる可能性があることを示している。しかし,乾湿繰返し等による吸水性状の変化と耐凍害性の関係は明らかになっていない。本報では,モルタルを対象とし,調合,水セメント比,空気量,乾湿繰返し等の条件が吸水性状に及ぼす影響と,それらの条件と耐凍害性との関係を検討した。その結果,凍結融解・乾湿繰返しなどの影響による初期吸水速度の変化と質量変化率との間には深い関係があるなど,吸水性状からの耐凍害性評価についての知見を得た。
  • 山田 誠司
    p. 015
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    都市部の社寺建築は、建築基準法や消防法などの制約により大規模木造の建築が許可されないことが多い。本報告は、著名な大規模な本堂の増築工事の仮設、型枠、鉄筋、コンクリートに関する工事を報告する。本件の工事では、旧本堂とのバランスを配慮した設計が行われた。その為 軒先の大きさや断面寸法が大きくなり、コンクリートのクリープや打設時の動荷重による動きが有る中、高い仕上がりの精度が求められた。そこで。軒先をささえる仮設構築物などの検討と型枠施工方法の検討に従来の工法の加え特別の配慮が必要であった。その施工内容を報告するものである。
  • 大原 信二, 名知 博司, 小野 正, 小嶋 秀典
    p. 016
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ラスモルタル下地への、タイル張り仕上げに対する需要は高く、セメントモルタルまたは弾性接着剤を用いた手張り工法で施工されているが、RC造躯体と比較して、面内だけでなく、面外にも変形するラスモルタル下地に対するタイル張りの安全性を危惧する声も多い。一方、ラスモルタルとして、砂モルタルに変わり既調合軽量セメントモルタルが普及しているが、RC造躯体に対する張付け工法をそのまま流用した場合、コンクリートや砂モルタルと比べ、軽量モルタルの強度が低いため、タイル張り下地には適さないとされている。本報告では、3種類のタイル張付け材料について面内せん断試験を行い、ステープルの引き抜きに伴うモルタル層の脱落の危険性と、タイルの剥離・剥落状況を実験により確認した。
  • 岡田 麻依, 中村 成春
    p. 017
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は,多様な建築表現から派生するイメージに着目し,一般的な固定観念と反意の対イメージを含めた材料技術選定手法を開発した。その結果,以下を示した。(1)仕上系建築材料の一般イメージと対イメージを言語表現から整理・分類することができた。(2)仕上系建築材料の環境性を,資料の説明文から抽出し,各材料の環境性考慮の傾向をまとめることができた。(3)多様な建築表現のイメージ語を用いて,行列積に基づく材料技術選定手法を構築し,有意性を確認できた。
  • 吉田 真悟, 大澤 悟, 井原 健史, 板谷 匠
    p. 018
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    シーリング目地改修において、従来の工法では被着面に薄く残ってしまっていた薄層残存シーリング材を、柑橘油を主成分とした除去剤を用いて膨潤・軟化して除去するシーリング改修工法「TSR工法」を開発した。開発工法の性能について評価試験、試験施工等を行い、各種シーリング材に対して適用可能であることを確認した。また開発工法は、ディスクサンダー等を用いる他の改修工法よりも安全性・コスト等に優れ、周辺環境及び周辺部材への影響が少なく、新築時と同等の被着面を得ることで改修シーリング材の接着不良の予防や耐久性向上によるLCCの低減が期待できる。
  • その2 屋外暴露3年後の評価
    福岡 高征, 伊藤 彰彦, 本橋 健司
    p. 019
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    日本建築仕上材工業会、日本シーリング材工業会そして独立行政法人建築研究所は、共同研究として仕上塗材と建築用シーリング材との適合性の研究のため、市販の仕上塗材、建築用シーリング材にて2005年10月より屋外暴露試験を実施した。暴露1年目の暴露試験結果のまとめは2007年に本学術講演会等で報告しており、今回3年目の暴露結果をまとめた。全体として暴露1年目より汚れは進行していたが、塗装を考慮したシーリング材など数タイプ(ポリウレタン系のノンブリードタイプなど)については3年後でも汚れ難いことが確認された。また、バリアプライマーによる汚れ防止効果は認められたが、組合せによっては汚れが顕著になるものもあった。割れに関しては、仕上塗材の種類による影響が大きいことが確認された。
  • その2 塗膜防水のふくれに関する実験的評価
    若林 秀幸, 近藤 照夫, 齊藤 隆, 鈴木 博, 小倉 哲義, 中居 隆宏
    p. 021
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ウレタン塗膜防水を施工する場合は、一般的に下地となるコンクリートに含まれる水分を十分に乾燥させてから、防水材料を塗付することとされている。しかし、防水材料が塗付されて硬化した後に、ふくれや剥離のような不具合が散見される。ふくれは施工直後に発生する場合が多く、ふくれを生じた下地コンクリートとウレタン塗膜防水との界面には、湿気や水分の存在が観察される場合が散見される。前報(その1)では、下地となるコンクリートの乾燥過程における重量変化に着目して、十分に吸水させたコンクリート試験体の重量を継続的に測定し、乾燥によると推定される重量減少は、長期間にわたって継続することを把握した。しかし、コンクリートの品質や耐久性を考慮すると、乾燥させることは必ずしも適切ではないと判断される。本報は、最初に防水施工の直後から塗膜が日射を受けることを想定して、ふくれを容易に発生させる実験方法を検討する。次に、この実験方法を用いて、プライマーの種類を変えてふくれ発生程度の違いを確認する。さらに、発生したふくれ内部に含まれるガスを分析した結果に基づき、ふくれのメカニズムを検討したので報告する。
  • その1 下地塗装の種類による耐久性の違いと評価方法の検討
    板谷 俊郎, 三浦 勇雄, 袴谷 秀幸
    p. 022
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    光触媒を用いた塗布型の防汚建材に関して,最近では下地の材料を選ばずに適用できる製品が多く見られるようになった。そのことによって、通常の塗料や仕上塗材等が施工されている上からクリヤータイプの光触媒系コーティング材を塗布することで,下地の材質感を損なうことなく防汚性能を付与することも可能となってきている。しかしながら,そのような仕様の耐久性に関してはデータがほとんどない。そこで,一般的な塗料が施工された表面に光触媒系コーティング材を塗布した仕様に関して,促進耐候性試験を行い,耐久性を評価した。また,これまでに筆者らが研究してきた,電気表面抵抗によって防汚性能を評価する方法に関して,検討の余地が残されていたため,今回,評価方法の検討を行った。
  • その2 実大施工試験板4年経過後の追跡調査
    塚平 博之, 堀 長生, 奥田 章子
    原稿種別: 4
    p. 023
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、PCa板の軽量化、大型化に伴って、PCa板表面に0.1mm以下の微細ひび割れが発生するという問題が顕在化している。この問題の解決策として0.1mm以上のひび割れに追従できる弾性のふっ素樹脂の使用も考えられるが、(1)仕上がり性が制限される (2)塗膜付着力が低い傾向にあり、膨れが発生し易い (3)汚れ易い といった問題があった。そこで、上塗りを硬質のふっ素樹脂とし、塗膜付着力を向上して膨れ発生を防止した塗装仕様を開発した(既報)。この開発塗装システムを実大PCa板へ塗装した結果、屋外暴露4年後経過した時点でも躯体に発生した0.1mm程度の微細ひび割れに追従しており、付着強度も3~4N/mm2と高い付着力を維持していた。
  • 原田 賢治, 水谷 篤, 檜垣 泰仁
    p. 024
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    前報でPCパネルに生じる微細なヘアークラックに対して、微弾性サーフェーサーと低汚染弾性ふっ素樹脂塗料の組み合わせにより、表面平滑性を維持しつつ0.3mmまでのクラックに追従できる、高耐候・低汚染塗装システムの開発について報告した。本報では、軽量PCパネルへの適用で発生した含水率の問題に対する対策や、既にクラックを生じた下地に対する改修用途への適用など、実物件への施工を通じて生じた問題点や施工事例などを紹介する。
  • 小関 淳平, 千歩 修, 長谷川 拓哉
    p. 025
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、建物の美観の維持を図るため、雨水などで汚れが落ちる(汚れがつきにくい)、セルフクリーニング効果のある外装材が注目されている。しかし、その効果は材料によって様々であり、寒冷地での適用性について明らかではない。本研究では、セルフクリーニング効果があるとされる各種仕上塗材を対象として、材料の違い、汚れの種類、凍結融解作用の影響による汚れの付着・蓄積状況について実験を行い、この効果を明らかにすることを目的とした。検討の結果、水接触角の小さい仕上塗材は雨水によるクリーニング効果が高いこと、水接触角の大きい仕上塗材は、雨筋状汚れが付着しにくいこと、凍結融解作用により仕上塗材の水接触角は低下する。などの知見を得た。
  • 岡本 肇, 吉田 真悟
    p. 026
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    天然石等を種石としてプレキャストコンクリートを砥ぎ出し工法で仕上げる技術について、種石の種類の選定、及び表面を被覆する透明材料の選定の実験検討を行った。種石の選定においては、コンクリート中で不具合を生じないことをアルカリ骨材反応試験で確認し、石灰岩と石英ガラスを用いることとした。表面被覆透明材料の選定においては、温水浸漬、温冷繰り返し、凍結融解の各試験により、種石の保持や付着性能を評価し、無機系塗装材料を表面塗布して仕上げることとした。実建物に適用し、5年経過後の状況調査では、垂直面では種石の脱落、汚れの発生等は見られなかったが、外構の工作物の水平面ではかびの発生が見られた。
  • 池田 修二, 山崎 達朗, 岡本 享
    p. 027
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    建築、土木分野における建造物や、車両、公共設備などの様々な構造物に対して発生する屋外での埃、塵、排ガス等の汚れや落書き、貼り紙、そのほか建設物に対して行われる様々な塗装作業によって生じる周囲への汚染は、その除去作業に多大な労力を必要とする。昨今、汚染の種類に応じて撥水性または親水性の特性を利用した各種防汚性塗料がメーカー各社から提案されている。本報告では、建設物に対する様々な汚染に対して防汚性、除去性に優れたふっ素樹脂塗料を開発し、防汚性発現機構や塗膜の耐久性能、耐候性能を中心に報告する。
  • 浦 憲親
    p. 028
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    壁土は、水合せ(寝かし)期間が長いものほどよいとしているが、場所もとることから長期に渡り大気中で暴露することは困難である。本報では、水に浸漬したすさと原土を混合した性質を調べている。その結果、壁土は通常の水合せと同等以上の性能を有し、促進製造が可能なことを提示している。
  • その1 各種こけら材の葺き替え実態とライフサイクルコスト
    田揚 裕子, 後藤 治, 山本 博一, 田村 雅紀
    p. 029
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    国宝・重要文化財をはじめとする伝統的な木造建築のこけら葺き屋根に用いられるこけら材は、樹齢100年程度の大径木の天然杉や檜が用いられてきた。こけら葺きとは板葺きの1種であり、厚さ2~3mmの薄いこけら板を部分的に重ねずらして軒先に並べ、竹釘を使い1枚1枚固定し屋根を葺く方法である。しかし、こけら葺きの使用限度は年輪が細かく積まれた天然木で約25年ほどであり,樹齢ならびに材種によりその更新周期が異なっているのが実状であり,今後の建物の維持保全に大きく影響をもたらす要因となっている。本研究では、さまざまな伝統的な木造建築のこけら葺きの屋根における材質・葺替年数を調査,整理し,使用木に対しての屋根材の葺き替え実態を明らかにするとともに,ライフサイクルの視点からこけら材の維持保全コストを分析する。
  • その2 こけら板製材に関する事例報告
    高塚 里美, 後藤 治, 山本 博一, 田村 雅紀
    p. 030
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    こけら板を製材するのには樹齢100年程度の天然杉や椹の大径木が必要であるが、現在それらは数の減少と採取の困難さが相まって希少な天然木材として位置づけられ,今後,こけら葺きの伝統的木造建築における維持保全の課題として位置づけられる。本研究では,日本の森林に数多く植えられている樹齢が若い人工林の杉に着目し,それらの木材からこけら板を製材し、材の製造に関わる特徴や実際に屋根葺き材として適用可能であるかを採取現場で調査分析した結果を報告する。なお,比較対象とする木材は,気象,地理的条件等により生育環境が相違する秋田県、宮崎県の人工杉とし,各々の木材の樹齢は、秋田県の杉は人工林の杉樹齢約46、88年と自然林の杉樹齢169年の3種類を、宮崎県の杉は人工林の杉樹齢約36、83年の種類とした。
  • その3 こけら材の表層性状分析
    田村 雅紀, 後藤 治, 山本 博一, 清永 美奈子
    p. 031
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    こけら板は,採取された木材の産地をはじめ,生育環境,伐採時の年輪密度をはじめとする様々な条件により,屋根材としての耐久性に関わる基本的性質が大きく相違するといえ,特に人工木においては,天然木と比較して材の損傷や木材成分の溶出が顕著となり,その結果,使用年限が天然木の25年より短くなる傾向にある。本研究では,秋田県の各種樹齢の人工木,天然木によるこけら材を用いて,高解像度実体顕微鏡の観察,辺材・心材・維管束の状態分析,微細断面の形状分析,雨水の滞留・流下特性に影響する表面あらさ特性ならびに,高速度画像撮影装置を用いた雨水流下実験により,その基礎的な性質を評価した。
  • その4 こけら板の基礎力学特性
    清永 美奈子, 田村 雅紀, 後藤 治, 山本 博一
    p. 032
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    こけら板は、採取された木材の産地をはじめ、生育環境、伐採時の年輪密度をはじめとする様々な条件により、屋根材としての耐久性に関わる基本的性質が大きく相違するといえ、特に人工木においては、天然木と比較して材の損傷や木材成分の溶出が顕著となり、その結果、使用年限が天然木の25年より短くなる傾向にある。本研究では、その3に続き,秋田県産の各種樹齢の人工・天然木の切り出し試験体を用いて、異方性を考慮した要素試験体の針状要素の貫入抵抗性,圧縮強度特性を行い、その基礎的性質を把握した後に,実際のこけら材を用いた力学的性質を評価するために、曲げ試験を行ない、曲げたわみ特性を評価した。
  • 高山 美幸, 檜垣 泰仁, 杉本 賢司
    p. 033
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    社寺建築の色彩は伝統的な顔料が多く使用されるが、合成樹脂塗装では水銀系や鉛系などの使用は安全性の面で制限されることが多い。本調査では「朱色」に注目して、各地の社寺建築の色彩測定を行い、伝統建築の色彩のエイジングや褪色性について調査を行った。使用制限のある顔料の代替を検討し、できるだけ耐久性と意匠性の点で性能を維持できる材料について検討した結果を報告する。また、建築の実用面での塗料選定に対応できる伝統色の色票を提案するものである。
  • 中野 貴文, 千歩 修, 長谷川 拓哉
    p. 034
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    寒冷地における凍害による外装材の劣化が大きな問題となっている。しかし、既往の研究において促進劣化試験と実際の劣化が対応していないことが報告されており、実際の使用条件における外装材の耐凍害性評価が求められている。実際の使用条件の一つとして仕上材の効果を考慮する必要があるが、仕上材自体の経年変化も含め、耐凍害性評価にどのように考慮するのか明らかとなっていないのが現状である。そこで本研究では、6年間札幌市において屋外暴露された仕上材のあるコンクリート試験体を用いて、吸水性状、仕上材の吸水低減効果の変化を検討するとともに、限界飽水度法に基づく耐凍害性評価方法について検討を行った。
  • 長谷川 拓哉, 千歩 修
    p. 035
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    仕上材・表面改質材を施工することにより、鉄筋コンクリート造部材の耐久性が向上することが知られている。しかし、仕上材・表面改質材を施工したコンクリートについて、部材の耐久性に関係が深い表層の水分移動性状は明らかになっていない点が多いのが現状である。そこで本研究では、温湿度センサーをコンクリート表層に設置した試験体を、札幌市に1年間、屋外暴露し、温湿度を測定することにより、自然環境下における水分移動性状を把握するとともに、耐久性との関係について検討を行った。その結果、仕上材を施工した場合は、一般に仕上材なしの場合よりも湿度が高い傾向にあることなどの知見を得た。
  • 吉野 利幸
    p. 036
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    戸建住宅の外壁材として多用されている窯業系サイディングの凍害劣化の予測には、サイディング内部の温度と、凍結融解回数を把握する必要がある。本報告では、コンクリートに適用されている幾つかの温度予測式をサイディングに用いた場合の適合性について検討を加えるとともに、国内各都市の自然環境下におけるサイディング温度を予測し、サイディングに生じる凍結融解回数の試算を行った。
  • 水上 卓也, 小川 晴果, 福田 一夫
    p. 037
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    屋内プール、大浴場、トイレなどの湿潤環境において、内装壁面にタイル張り仕上げの下地材料としてボード材料を用いた場合に、ボード材料が吸水により伸縮や反りが発生したためタイルが割れる、あるいは強度低下により胴縁に留め付けたビスからボード材料が抜け落ちるといった不具合事例が報告されている。そこで、湿潤環境における適切な下地材料の選定を目的として、ケイカル板、フレキシブル板、シージング石膏ボードといったボード材料について基礎物性試験(吸水率、吸水による長さ変化率、曲げおよびビス引抜き試験)により性能評価を行った。試験結果より、ボード材料には製造時の繊維の流れ方向による強弱軸(長辺、短辺)があること、また、乾燥状態に比べて湿潤状態では、著しく強度が低下することなどを確認した。
  • 上村 昌樹, 三森 敏司, 渡部 嗣道, 中根 義彦, 橋爪 修, 須賀 健太郎, 小嶋 秀典
    p. 038
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    木造住宅では壁体内部の結露防止や雨水が構造体と接触することを防止する措置として外壁に通気層(壁内部からの湿気や雨水の排出を目的とする。)が設けられる。そこで、本研究では通気層、断熱性および防水性を兼ねた防水シートを用いて、木造外壁モルタル塗り工法の内部結露防止を目的とし、結露実験により性能評価を行った。また、性能評価の比較対象として、従来のモルタル外壁通気工法(木胴縁による通気層)、とモルタル外壁直塗り工法とし、壁内部にはロックウール断熱材、充填ウレタン断熱材を充填したものとした。
  • その1 システムに使用される断熱材の性能
    畠中 純一郎, 本橋 健司, 松 俊彦, 亀田 定一, 上ノ山 悦治, 青木 学, 沼田 茂己, 若菜 繁
    p. 040
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    湿式水蒸気排出型外断熱工法において、押出法ポリスチレンフォーム3種とフェノールフォーム1種2号を対象に、透湿性能試験、膨れ確認試験を行い水蒸気排出機能を確認した。また内部結露発生の予測検証も行った。その結果、溝加工により透湿性が向上すること、強制的に水蒸気が発生する状況下では膨れ発生の可能性があるがこの際に断熱材の吸湿抑制に効果があること、付着力低下抑制に効果があることを確認した。また結露計算から省エネ区分III地域、IV地域においては本工法の標準仕様によれば躯体内に内部結露が発生する可能性は極めて少ないことを検証した。
  • その2 システムに使用されるポリマーセメント系防水材の性能
    上ノ山 悦治, 本橋 健司, 松 俊彦, 亀田 定一, 青木 学, 沼田 茂己, 若菜 繁, 畠中 純一郎
    p. 041
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、鉄筋コンクリート造の壁面に適用される湿式外断熱工法に関するもので、日本の気象条件に合わせ、屋根に用いられる防水システムを適用し、さらに断熱材に溝を設けることで躯体からの水蒸気を排出する機能を持たせる工法を検討した。「その2」では、本工法で防水材として採用するポリマーセメント系塗膜防水材について、システムの物理的な特性として、「引張特性」、「接着性能」、「防水性能」、「耐衝撃性能」、「補強メッシュの補強効果」および「施工性」を確認しながら、システム全体の技術的な検討を行い、防水性、耐衝撃性が確認できた。
  • 長谷川 完, 岡本 肇, 高橋 拡, 山本 正人, 杉田 敬太郎, 関 勉宏
    p. 042
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    フロンガスを使用していない現場施工可能な不燃性断熱材の調査研究を行い,断熱性能・燃焼性能の両面から吹付け硬質ウレタンフォームと比較検討した。不燃性断熱材は吹付け硬質ウレタンフォームと比較して断熱性能は劣っているものの、燃焼しにくく、安全性の高い材料であることが把握された。また一部の断熱材ではウレタンフォームに近い断熱性能を有する材料もあり、ノンフロン系の断熱材としての可能性を見出すことができた。試作した不燃性断熱材については試験施工を実施し、施工性を確認するとともに、表面の平滑性が把握され、面積の有効活用が可能な仕様を設定することができた。
  • 杉田 敬太郎, 岡本 肇, 長谷川 完, 山本 正人, 辻 英朗
    p. 043
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    金属表面処理剤を用いて、溶融亜鉛めっき鋼材を有彩色および無彩色に着色する方法を検討した。有彩色の仕様については、新たに処方した処理剤を用いて干渉色による有彩色を発現できた。処理時間を変化させることによって青色、黄色、緑色など異なる色を発現できた。試験体の耐食性は溶融亜鉛めっき鋼材より高かった。無彩色の仕様については、灰色と黒色のスパングル模様を発現できた。試験体によっては、市販の金属表面処理剤で処理した鋼板やりん酸亜鉛処理鋼板より耐食性が高かった。
  • 井原 健史, 大澤 悟, 山盛 博夫, 神戸 信哉
    p. 044
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    躯体コンクリートの長寿命化を目的として、有機・無機ハイブリッド型塗料を用いた中性化抑制塗装システムを開発した。有機・無機ハイブリッド型塗料の塗膜は、塗膜中に、層状の粘土鉱物を有するために、気体の通過行路が長くなり、気体の透気性が低くなることで、中性化抑制効果が期待できる。開発した塗装システムの中性化抑制性,水蒸気遮断性,透気性,付着性,ひびわれ追従性の評価試験を実施した。試験結果から、高い中性化抑制性,優れた水蒸気遮断性を確認し、中性化抑制性と透気性との相関関係を確認した。また、コンクリートへの塗装として問題の無い付着性,ひびわれ追従性を確認した。さらに、試験施工を行い、塗装システムとしての妥当性を確認した。
  • 杉島 正見, 高野 亮, 安部 繁行, 大森 弘勝
    p. 045
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    消石灰を主成分とする漆喰は、日本の伝統的な左官建材で、地球・生活環境に優れることで見直されてきている。本研究において、スサ、骨材(砂)を配合することなしに、乾燥時の収縮亀裂発生の課題を解決し、ローラー、刷毛にて塗装することが容易な漆喰塗料(塗布型漆喰)を開発した。本塗料は、シックハウス症候群、化学物質過敏症などの原因物質を含まず、自然素材の独特な風合いと質感に加え二酸化炭素の吸収、吸放湿性、消臭性、ホルムアルデヒド吸着、抗菌性など漆喰の有する良さを兼ね備えている。本報告では、それら機能の評価結果ととも、新たに抗ウイルス性の機能を見出し、効果の確認も行った。また、室内汚染対策として表面処理材も開発し、その評価結果も含めて報告する。
  • 熊野 康子, 菅原 玲子, 橋本 佳奈子, 田口 恵未, 角田 恵
    p. 046
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    女性社員による研究チームを社内にて発足し、下記の2課題の調査研究を実施したので成果を報告する。1.主婦のライフスタイルにおける建築仕上げ材の需要に関する調査研究、首都圏における既婚社員とその家族にアンケートを実施し「フルタイム勤務」「パート勤務」「専業主婦」家庭でのキッチン・収納・住宅設備 他についての人気を調査した。フルタイム勤務主婦を中心に、収納の臭気対策やリラクゼイションスペースなどへのニーズが高いことがわかった。この結果と関連した内装材の調査等も実施したので報告する。2.小学校における環境安全対策に関する調査と地域特性を生かした学校内のサインの調査研究 小学校において、「環境」を身近に学習できる施設や内装材、また安全性の高い建材や建具などの調査を実施した。同時に児童になじみやすくて覚えやすい表示マークについて、学校が建設される予定の地域の伝統芸能、慣習、名所・旧跡などを調査し、実際に数種類のデザインを実施した。さらに学校の表示マークとして実際に採用となった事例について報告する。
  • その1インターネット上での新たな教材の提案
    藤沼 智洋, 菊池 雅史, 小山 明男
    p. 047
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    21世紀の国際的な合意指標となっている持続的発展可能な経済社会の構築のために,建築分野全体においては建築物の長寿命化および高耐用化を目標に掲げている。しかしながら,建築物には種類や程度の差こそあれ,何かしらの劣化現象を必ず起こしているため、長寿命型建築を今後目指すためには建築に携わる者たちの種々の劣化に関する見識を高める必要がある。また,大学教育においては実建築物の劣化現象は有意義な教科書となりえると考えられる。そこで本研究で行う建築学科の学生にとって効率的に建築材料の劣化を学ぶための劣化データベースを活用した学習支援システムの開発について報告する。
  • 山田 利幸, 山田 誠司, 橋本 樹, 杉本 賢司
    p. 048
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    建物は、砂が多い場所では地震に弱い。地面が一時的に液体に似た状態に陥る。本堂の木造建築を守るために、厚さ20cmの鉄筋コンクリートを設置することで、建物を守ることにした。壁面についても耐震補強を加えた。お寺の改修工事では、色彩の調整、伝統的な雰囲気をつくる照明計画など多くの項目を検討した。さらに、防犯のために電動シャッター、二重サッシなどの対策も行った。ここに、大規模木造建築の工事報告を行う。
  • 菅原 達也, 杉本 賢司
    p. 049
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ドゥバイタワーでは、多くの新技術が開発された。ドイツの会社が600mの高さのコンクリート圧送に成功し、3基のコンクリートの圧送機械をつかって連続的に一気に押し上げる技術を開発した。さらにエレベーター装置もロープの重さが障害となる700mを克服し、外壁材も超軽量の素材で建築構造体への負荷が低減した。パームジュメイラと呼ばれる椰子の葉の形をした直径が4kmを超える巨大な埋立地では、海面との水位差や水中の環境保護、建物への熱輻射熱が低減して3℃も温度が下がった。環境面では、モノレールの採用により車社会から分離させるプロジェクトが実行された。本件ではドバイにおける、多くの新しい建築技術について調査した結果を報告する。
  • 杉本 賢司, 本田 徹
    p. 050
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    太陽の核融合でつくられた光子エネルギーは、地球に到着するまでに10億分の1まで低減する。そして、到着した地球の表面に降り注がれたエネルギーの1/3は海水や湖水の蒸発エネルギーとして消費され、水力発電にもつながる。太陽エネルギーは植物の光合成に不可欠なもので、石炭や石油を考えると、これも太古の植物や微生物の長年の時間によってつくられ、化石燃料は太陽エネルギーを蓄積した缶詰といえる。風力発電も地球を太陽が温めた大気の温度差によって生じた風がエネルギーのもとで、原子力発電も太陽の核融合と同じ原理と考えれば広義には、地球上で作られるすべてが太陽に依存したエネルギーに由来している。地球のエネルギー埋蔵量を示す。
  • 佐藤 正夫, 森木 克充
    p. 051
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    岡本太郎画伯が1980年に制作した「海辺の太陽」モザイクタイル壁画を修復することになり、現在ある最高の技術を駆使し修復作業を行う。今回は、修復作業のために必要な「海辺の太陽」の原画情報を高精細デジタルアーカイブにて、正確なデジタル画像情報を記録し、画像解析とモザイクタイル17万5000枚への画像レンダリングにより、モザイクタイル壁画の1タイル毎の色データの再現を行うことになった。
  • 粉体塗料の性能評価
    大澤 悟
    p. 052
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    粉体塗料は、粉末状(固体)で、被塗物に塗装後に焼付けることにより均一な塗膜が得られる。近年、大気汚染の原因となるVOCを含まない、回収して再利用できる、1回塗りで厚膜が確保できる等の観点から、環境対応型塗料としての需要の伸びが期待されている。また、従来よりも耐候性の高いポリエステル樹脂系やふっ素樹脂系の粉体塗料が開発されている。本報では,これら最近の粉体塗料の品質特性を、硬さ・付着性・磨耗性等の基本物性試験、促進耐候性試験、屋外暴露試験等により熱可塑形ふっ素樹脂塗料等と比較・評価した結果について報告する。
  • 田中 晶全, 荒井 智治
    p. 056
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/02/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    塗膜の劣化は、紫外線と酸素が相互作用して進行するとされている。光エネルギーが作用すると塗膜の分子結合部にラジカルを生成する反応が連鎖的に発生し塗膜が徐々に分解する。この際に、ラジカルを安定な物質に変換することで劣化を抑えるものがハルスに代表される光安定剤である。本報告では、光安定剤を樹脂骨格に組み込んだ樹脂に無機成分を複合したセラミック複合ハルスハイブリッド樹脂塗料の各種性能試験結果について、ふっ素樹脂系塗料及びウレタン樹脂系塗料の性能試験結果と比較したところ、屋外建材に要求される性能を十分に満足していることが確認されたことを報告する。
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