抄録
近年、建物の美観の維持を図るため、雨水などで汚れが落ちる(汚れがつきにくい)、セルフクリーニング効果のある外装材が注目されている。しかし、その効果は材料によって様々であり、寒冷地での適用性について明らかではない。本研究では、セルフクリーニング効果があるとされる各種仕上塗材を対象として、材料の違い、汚れの種類、凍結融解作用の影響による汚れの付着・蓄積状況について実験を行い、この効果を明らかにすることを目的とした。検討の結果、水接触角の小さい仕上塗材は雨水によるクリーニング効果が高いこと、水接触角の大きい仕上塗材は、雨筋状汚れが付着しにくいこと、凍結融解作用により仕上塗材の水接触角は低下する。などの知見を得た。