抄録
天然石等を種石としてプレキャストコンクリートを砥ぎ出し工法で仕上げる技術について、種石の種類の選定、及び表面を被覆する透明材料の選定の実験検討を行った。種石の選定においては、コンクリート中で不具合を生じないことをアルカリ骨材反応試験で確認し、石灰岩と石英ガラスを用いることとした。表面被覆透明材料の選定においては、温水浸漬、温冷繰り返し、凍結融解の各試験により、種石の保持や付着性能を評価し、無機系塗装材料を表面塗布して仕上げることとした。実建物に適用し、5年経過後の状況調査では、垂直面では種石の脱落、汚れの発生等は見られなかったが、外構の工作物の水平面ではかびの発生が見られた。