抄録
多量な結晶水が含まれた廃せっこうは、火災時には結晶水が熱分解し水蒸気となって温度上昇を遅らせる働きをする。この特性を利用して、高強度コンクリート構造部材等の表面に仕上げ層として施工することで、コンクリートの爆裂防止対策に有効な耐火被覆材になる。これまでの研究によって、廃せっこうを軽量セメントモルタルに混入し、耐火実験に基づいて検討した結果その有効性が確認された。顧客のニーズに答えられる様に、耐火被覆材の諸物性は変えず、比較的に安価である廃せっこうを多く利用することでコストダウンを図り、シールドトンネルの耐火被覆構造においてRCセグメントを模擬した試験体と鉄骨柱等の構造物に対して角型鋼使用した試験体に耐火被覆材を施し、耐火性能を加熱試験で検証した。