抄録
高出力レーザーを用いたコンクリートの窄孔は、騒音や振動を抑制することができるため、建物の耐震補強工事や外壁補修工事等にその利用が期待されている。本研究で開発したレーザードリルは、回転するドリルビットの先端からレーザーを偏心照射することが可能な装置である。コンクリートは高温に加熱されると著しく強度劣化する性質があるため、レーザーが形成した脆弱層をドリル刃で切削しながら窄孔する。ドリル1回転当たりの窄孔深度は1mm程度であるため、深さを管理することができ、加工面の反対側にレーザーが貫通してしまうような心配がない。本論ではφ22mmの窄孔が可能なレーザードリルの構造を説明し、速度や騒音レベルについて評価を行った。