抄録
外壁複合改修工法のG工法を適用して、20年を経過する実建築物の調査をした結果から、当該工法の使用材料には経年劣化が認められないことを明らかにした。また、既存モルタルを全面撤去して、表面塗装を更新する在来の改修工法を繰返す場合と、当該工法を適用して外壁改修を実施した場合のLCCを試算して、経済性の評価を検討した。本報で想定したモデルでは、当該工法はイニシャルコストが高いが、改修施工をして25年を経過すると、ランニングコストが抑えられることから、有利な経済性を確保できると判断される。今後も、当該工法を適用した実建築物の実態調査を継続して、外壁剥落防止効果とLCC試算の信頼性向上を図っていく予定である。