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近年、落書きの被害は街の郊外・田園地域も含め加速的に広がっている。本研究者らは2001年から神奈川県の落書き消し活動にて種々の落書き除去剤を評価してきているが、除去性能と作業効率の点から有機溶剤を使用してきている。この除去剤は消防法の危険物、および労働安全衛生法の有機溶剤に該当することから、使用には専門家の指導・管理を必要とする。また、下地を溶かしてしまうこともあり、使用用途も限定される。このような経緯から安全性が高く、除去性能と作業効率に優れる水性落書き除去剤を開発し、従来難しいとされるコンクリートブロック塀上の落書き除去を含む実用性評価結果を行ってきた。本報告では、その開発概要と評価結果について報告する。