抄録
植樹帯による道路交通騒音の低減量のうち地表面による減衰は既存の知見で計算することができるが, 樹木による減衰(以下, 「Awoods」という.)は, 知見が確立していないため計算することができない. そこで, 本論文では公園および公道でAwoodsを測定し, 文献値と比較した.公園の測定では回折や地表面による減衰の影響がない条件を設定し, 半球型の無指向性スピーカから発したピンクノイズを試験音源とし, 測定値を道路交通騒音の周波数特性の値に変換した. 公道での測定では等価騒音レベルLAeqの測定値から回折, 地表面効果, および空気吸収の影響を計算で除外し, Awoodsを逆算した.
Awoodsの測定値は, 公園では-0.23, および-0.17 dB/m, 公道では-0.12, -0.10, および-0.04 dB/mとなり, 文献値(複数)の中間程度の値となった.