抄録
建築物の長期利用、既存ストックの活用が望まれる中、外壁仕上げに対する補修が必要不可欠である。外壁補修には、仕上げの種類や劣化度に応じた工法を採用するが、その一つにピンネット工法がある。ピンネット工法は、平成7年に10工法が建設技術評価制度によって認定されており、個々の工法の評価研究はあるが、多種の工法を比較検討したものは少ない。また、コンクリート下地のひび割れ開口に対する追従性の観点からの性能試験が必要である。本研究では異なる多軸繊維ネットを用いて、付着強度試験と、ネットを施工した切欠きを有するコンクリート試験体の3点曲げ試験を行い、ピンネット工法におけるネットの性能を比較検討した。