抄録
建築物の外壁に対する既存仕上げ層(セメントモルタル塗りや陶磁器質タイル張り)をポリマーセメントフィラーとと繊維ネットで押え、アンカーピンの打込みによって躯体コンクリートへ留め付ける外壁複合改修工法の一工法(GNSピンネット工法)に着目して、本報ではその特徴と開発経緯および施工実績に対する実態調査に基づく耐久性評価の結果を述べている。当該工法は開発当初に多くの実験的評価に基づいて、標準施工法が確立されており、その後も20年間にわたる実態調査が継続されて、現状では使用材料の物性変化が認められないと判断できる。