抄録
筆者らは、建築物の美観に関する研究を行い、建築物外壁面の劣化危険度判定手法に関する提案を行なった。本研究では、雨水が外壁に作用する程度を簡易評価する壁面劣化危険度評価と、材料表面への雨水を伴う微粒子付着の評価式を組み合わせることで、空気中に大量に拡散した放射性物質が、建物外装材料表面に付着する放射性汚染物質の推定方法を提案する。この方法を用いることで、環境省によるガイドラインでは対象となっていなかった、放射性物質による外装材料の汚染を明確にすることができる。また、図面や画像から汚染箇所の推定や、見落としがちな外装材料面のミクロなホットスポットを見つけることが可能となる。