コンテナ苗生産において発生したスギ種子の発芽阻害の原因を明らかにするため,発芽しなかった種子の内部観察と,腐敗種子からの菌の分離を行った。播種2カ月後に発芽していなかった種子95粒は,健全30.5%,腐敗34.7%,虫害8.4%,空21.1%,不稔粒5.3%に区別された。腐敗種子から分離された糸状菌は Fusarium oxysporum と同定され,接種試験によりスギ種子腐敗の病原性が確認された。このことから,コンテナに播種したスギ種子の発芽阻害には,病原菌による種子腐敗が大きく関与すると考えられた。