抄録
建築外装用アルミニウム合金建材の塗装仕様として、従来の加熱硬化形溶剤系塗料に替わる環境配慮型塗装システムとして注目される粉体塗料について、2008年から行っている基本物性試験・促進劣化試験・屋外暴露試験にて評価を行った。基本物性試験では従来の塗装システムと大差無く、性能上問題が無いことが確認された。また、促進劣化試験や屋外暴露試験によって、ふっ素樹脂粉体塗料は溶剤系ふっ素樹脂塗料と同等の耐候性が確認された一方で、暴露環境によっては3年も経過すると樹脂系に関わらず光沢低下が著しいことがわかり、劣化塗膜をFT-IR分析を行い劣化メカニズムの調査を行った。その結果、メカニズム解明には至らなかったが、顔料である酸化チタンの光触媒反応により、塗料樹脂が酸化劣化していることが示唆され、(その2)にて、その改善効果が期待できるふっ素・ポリエステルハイブリッド粉体塗装システムを評価することとした。