学級経営心理学研究
Online ISSN : 2434-9062
中学生における主体的学習態度尺度の作成
河村 明和
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2020 年 9 巻 p. 31-38

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抄録
本研究では「主体的に学習に取り組む態度」を測定するために主体的学習態度尺度の作成を目的とした。本研究における「主体的に学習に取り組む態度」の構成概念として,文部科学省(2019),経済協力開発機構(OECD)(2018)の内容より「学習方略」「主体性」「協働性」を想定し,調査を行った。対象は,A県B市の全公立中学校6校の生徒801名(男子384名,女子417名)を調査の対象とした。因子分析の結果,仮説通り,学習方略,主体性,協働性における3因子構造になり,またその信頼性を検討したところ3因子ともα係数が.85以上であり,一定の信頼性が得られた。さらに,主体的学習態度尺度の下位尺度と,河村(1999)が作成した,学校生活意欲尺度,河村(2001)が作成したソーシャルスキル尺度から,配慮のスキル,かかわりのスキルと相関分析を行い,構成概念妥当性を検討した。その結果「学習方略」「主体性」「協働性」すべてにおいて,学校生活意欲,ソーシャルスキルとの正の相関が確認され構成概念妥当性が確認された。以上の結果から,中学校における主体的学習態度尺度が作成された。
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© 2020 日本学級経営心理学会
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