抄録
環境保全や健康安全に対する配慮から、水系さび止め塗料の適用拡大が期待される。水系さび止め塗料は、その特性から使用が限定されており、さらなる普及展開には、適用の対象や部位あるいは素地表面の状態などに限定されず、幅広い用途に適用できるような検討が必要である。本報では、実際の建築物に適用される軽量の溝形鋼と角形鋼管を対象として、黒皮のままの素地もしくは一次防錆塗装が施された下地に対する付着性や乾燥性を評価し、その適用性を検討している。また、重量の箱形鋼とH形鋼については、溶接時の塗付形スパッタ防止剤や超音波探傷検査に用いるグリセリンが鋼材表面に付着した供試体を作製して、硬化塗膜の付着性に与える影響を検討している。