抄録
アルミニウム合金材料に対する工場における加熱硬化形塗装から、有害物質を回避する研究を継続しており、本報では各種の素地調整を施したアルミニウム合金材料に対して、有機溶剤を含まない粉体塗料を塗装した試験片を作製して、沖縄県での屋外暴露による性能評価を実施した結果を報告している。主要な結果は、以下の通りである。(1)粉体塗料は、6価クロム系化成皮膜処理、3価クロム系化成皮膜処理あるいは陽極酸化皮膜処理を施して塗装した仕様において優れた耐久性を示しており、建築外装用材料として適可能であると判断できる。(2)クロムフリー系化成皮膜処理を施して粉体塗料を塗装した仕様は、処理薬剤の種類と粉体塗料の組合せによっては、優れた耐久性を期待できるものがあると判断される。クロムフリー系化成皮膜処理の適用にあたっては、薬液の種類や処理工程に対する厳格な管理及び粉体塗料の組合せが重要になると考えられる。(3)沖縄県本島中部の2ヶ所(伊計島・藪地島)及び宮古島において屋外暴露した試験片の表面状態では、塗膜膨れの発生や光沢保持率の変化が異なっている。AAMAやQUALICOATなど海外のアルミ二ウム合金製建築材料に対する規格では、南フロリダでの屋外暴露試験による評価を規定している。しかし、日本の沖縄県内においても結果に差異があることから、屋外暴露による塗膜劣化の評価は、日射量や降雨量及び気温などの他に、周辺環境や海岸からの距離なども考慮することが重要であると考えられる。