抄録
環境に配慮した加熱硬化形塗装仕様における素地調整の対象としているクロムフリー系化成皮膜処理が品質安定性に欠ける要因として、前工程であるエッチング処理に着目し、その方法の違いが品質に及ぼす影響を検討している。本報では、各種エッチング処理を施した試験片にクロムフリー系化成皮膜処理と硬化形式の異なる粉体塗料を塗装した試験片を作製し、沸騰水浸漬試験および試験後の二次付着性を評価した結果から、エッチング処理の影響について検討している。初期物性や沸騰水浸漬後の二次付着性の評価から、エッチング処理の必要性については確認できる。エッチング方法の違いが塗膜性能に及ぼす影響については、明確に把握することはできていない。一方で、クロムフリー系化成皮膜処理と粉体塗料の組合せには、適合性による差異があると考えられる。この差異にエッチング処理が影響しているか否かは、別報で述べている皮膜成分の分析および中性塩水噴霧試験による耐食性や現在継続中の屋外暴露試験による耐候性の評価と合せて、総合的に評価する必要がある。