抄録
外装タイル張りは、湿式工法を採用しており、浮きやひび割れといった経年劣化が発生しやすい。建物の供用期間を考えると、維持保全工事の周期や回数を適切に設定できる技術が必要である。そこで、本報告は、過去に2回または3回、打診調査した2つの建物を対象として、浮き等の発生傾向を分析した。2つの建物はそれぞれ、改良圧着張りとマスク張りを採用していた。分析した結果、経年劣化現象には、下地モルタル浮きなどの進行予測が可能な場合があり、予防保全の考え方を適応できることがわかった。また、タイルの張り方の違いで、浮きパターンに違いが出ることが分かった。