抄録
その1・2に続き、既存の漆喰天井板の補修に関して技術的な考察を進めた。実験では、実構造部材を模した試験体を作製して補修効果を検証した結果、無補修の部位と比較して平均で約30倍の強度向上が認められた。加えて、実構造部材(1×1m)の半分の領域に補修を施した後に、最大980galの振動を複数回与えたところ、補修の有無に関わらず剥落は確認されなかったが、無補修領域では加振を行うごとに木摺り-漆喰界面の剥離が進展する傾向を示した。また、実構造物の場合は地震動によって天井板に変形が発生し、それに追従できない漆喰層が大面積で剥落する可能性がある。そのため、木摺り-漆喰界面に対して、補修による十分な支持力の付加が重要と考えられる。