森林研究
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菌類社会学の方法論について(Ⅱ)
土着性および発酵性腐生菌類の分布様式
岡部 宏秋
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ジャーナル オープンアクセス

1981 年 53 巻 p. 8-23

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抄録
土壌微生物は,土着および発酵性菌類に大別されるが,ここでは,腐生性菌類(リター棲息菌2種,堆肥棲息菌3種)を対象としてこれらの子実体発生の経時的な拡散とその種間の違いについて調べた。さらに接種実験によって子実体分布の拡散を検討した。
1.土着性リター棲息菌
a)基物の種類
リターの種類(基物)と土着性菌類(ヒノキオチバタケ,オチバタケ)の関係は次の3通りが考えられた。第1には特定菌の発生が高い基物である。ここでは部分的に分布するアヤビの葉に発生したヒノキオチバタケ,普遍的にしかも多量に分布するヒノキ球果にヒノキオチバタケが発現した例が相当した。第2には,種の発生頻度差のあまりない基物である。ここでは両菌が普遍的にしかも豊富に見られるアカマツの葉,ヒノキの小枝に発現した例が相当した。第3は発生に関与しなかった基物である。ここではヒサカキが比較的多く見られたにも拘らず両菌の侵入対象とはならなかった。
b)空間分布
両菌ともに,不規則なパターンで,コロニー単位,あるいは個々の子実体単位で拡散してゆくようであった。その分布様式は弱度の集中斑がランダムに分布し集中斑内部もランダム分布であった。およその集中斑の大きさはヒノキオチバタケで156cm²,オチバタケでは39-78cm²であった。
発生量の年変化が小さいプロットの拡散様式は両菌ともにほぼ同じであったが増減の激しいプロットでは多少の違いが見られた。
2.発酵性堆肥棲息菌
3種ともにリター棲息菌に類似した拡散様式を示したが,拡散速度は,明らかに異なった。マルミノヒトヨタケとC. spは交錯した分布領域を保ちながら拡散したが,クズヒトヨタケは,他者とはっきり分離していた。分布の集中性は,土着性菌より明白でクズヒトヨタケが0.03,0.25m²,他2者は0.01,0.25m²の2重集中性を示した。
3.接種実験による拡散
接種後,最初は全方位に拡散したが,その後の確認は出来なかった。しかし各方位間の拡散速度は一定とはいえなかった。
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© 1981 京都大学フィールド科学教育研究センター
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