2005 年 4 巻 p. 135-146
kriging補間法を応用して、ニホンジカ生息密度の空間的分布の予測を行った。研究対象地は福岡県英彦山周辺地域のニホンジカ生息区域である。生息密度調査は1999年11月から2000年3月にかけて糞粒法によって実施されたものである。生息密度調査箇所の位置情報に生息密度情報を組み合わせてデータベースを作成した。生息密度調査箇所位置は対象地に離散的に分布していた。このデータベースに対して、kriging補間法を用いて、生息密度が連続しているデータの集合に変換した。この連続データ集合をもとに、研究対象地のニホンジカ生息密度分布の予測を示した。この結果、ニホンジカの生息分布を視覚的に把握できるようになったと思われる。さらにニホンジカの集中して生息している箇所の空間分布など、シカ生息密度の分布範囲も把握することが可能になったと考えられる。