林分内の間伐効果・競合効果・成長パターンの異質性などを検知する問題では, 非正則モデルに基づく分析が必要となるが, それらの分析手法には通常の統計理論を適用することはできない. 状況や検証したい仮説により使用する非正則モデルは異なり, 今までの非正則モデルに基づく分析では, それらのモデルごとに性質が議論されてきた. しかしながら, 近年それらを統一的に扱う理論が発展されつつある. 本論文では, 非正則モデルの主である局所錘モデルにおける検定問題に注目し,通常の検定とどう異なるかを説明し, 林分成長分析におけるその必要性について検討する.