2009 年 8 巻 p. 137-152
ロジスティック回帰モデルを用いて, 2004 年小矢部市のスギ林における冠雪害に対する発生リスクの解析を行った. 回帰モデルの構築には冠雪害に影響を与える要因を選択する必要があるが, ここでは情報量規準による変数選択法を用いて要因を決定した. また, 規準量についても, AIC, BIC, CAICの3 つを用いた. 更に, ここで得られた結果と, 先行研究である回帰木による予測結果との比較を行い, ロジスティック回帰モデルの有効性を実証した.その結果, 冠雪害リスク判別能力は, 50% を基準とした場合は大差ないが,ロジスティック回帰モデルが被害リスクを連続的に表現することができる点を考慮すれば, ここでのモデルの方が有効であることが分かった.