日本理科教育学会研究紀要
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Print ISSN : 0389-9039
岩石の観察能力に関する調査
石川 正関 利一郎
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1981 年 22 巻 2 号 p. 35-44

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抄録

観察とは,事物・現象に関する情報をすべての感覚器官を通じて収集する活動であり,基本的な科学の方法である。児童・生徒に観察の指導をする際,児童・生徒の観察能力の発達の実態を知ることが重要である。そこで,岩石(石英閃緑岩,礫質砂岩)を小学校4~6年生,中学校1~年生に自由に観察,記録させ,その記録を集計し,いろいろな観点から分析したり,考察したりした結果,次の事項が明らかになった。(1) 一般に,小学生高学年から中学生にかけて,観察力が量から質に変化している。(2)児童・生徒は観察活動に五感全部を活用せず,ほとんど視覚,触覚で情報を収集している。(3)かなりの児童・生徒が観察して得られる事実と,事実から導びき出される解釈とを混同している。

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© 1981 一般社団法人日本理科教育学会
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