最近の生徒は,地球が球形であることはよく知っている。しかし,その球形上で大陸や大洋がどのように位置しているかを明言できる者は数少い。これは,主に平面的なメルカトル図法による地図で学習してきたためであろう。多くの者が地球上の位置(方向・距離)に関して誤ったとらえ方をしている。そこで著者らは,平面地図の代わりに半球を使い,半球儀を製作する活動を通して地球の球形概念を育てようと試みた。授業は, 「半球儀作り」を取り入れた場合と, 「半球儀作り」を行わない場合とで実施し,両者を比較調査した。その結果,前者の製作活動を取り入れた方法は,生徒の興味・関心を深めると同時に,球形概念を育てる指導法として効果的であることがわかった。